言霊〜Supiritual Words〜2011年分

2011年12月の言葉

縁あって出会った仲、上機嫌がマナー

参議院議員・山谷えり子さんのホームページにあった言葉がもとになっています。山谷さんのお父さんの信条が「縁あって家族。上機嫌がマナー」だったといいます。これを見て私は「素晴らしい言葉だな」と思うと同時に、「これは家族の間に限った話ではないな」と思ったのです。

人間は社会的動物です。一人きりで生きている人などおらず、誰もが人と人の間で生きています。この世に生まれて出会う人の数も限られています。出会うということ自体が価値ある奇跡です。家族、友人、仕事仲間、ご近所さん…せっかく縁があって知り合った仲のありがたさを知り、一瞬一瞬を大事にすべきです。翻って我が身を振り返ったとき、「私は自分の感情にまかせて不機嫌になることで誰かを不愉快にさせていないだろうか?」と反省しました。

2011年11月の言葉

もし今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいと思うか?----スティーブ・ジョブズ

先月亡くなったアップル社のカリスマCEOの言葉です。ジョブズ氏は世界有数の経営者としてだけでなく、そのプレゼンテーション能力や遺した言葉の影響力が高く評価されています。

ジョブズは17歳のとき「もしあなたが毎日、これが最後の日と思って生きるなら、いつかきっと正しい道に進むだろう。」という言葉に出会ったといいます。その言葉に感銘を受けて以来、彼は毎日、鏡の中の自分に向き合って自問し続けたのです。「今日していることをやりたいと思うか?」その答えがノーだという日が続くとしたら、何かを変える必要があるとジョブズは言います。

禅を愛していたジョブズには無常観があったようです。「人間が地上で過ごせる時間には限りがある」という考えを持っていたジョブズにとって、今日という日はかけがえの無い貴重なものだったのです。その真剣さを持って一日一日を生きることができてこそ、偉大な業績が遺し得るのです。

忙しさに追われる毎日ですが、本当に価値ある日々を送れているか、私も自分自身に問いかけてみようと思います。

2011年10月の言葉

貧しくとも満足するものは豊かである----シェイクスピア

先月訪れたニュージーランドで率直に感じたのがこの言葉の重みでした。ニュージーランドは人口400万人の小さな国です。特別に裕福なわけでもないこの国は、豊かな自然と四季を持っており、そこに暮らす人々はたいへん満たされている様子でした。

翻って日本はどうでしょうか? 世界第三位のGDPを持つ経済大国ではありますが、人々は豊かさを感じているでしょうか? 戦後の経済発展の中で物質的には豊かになったけれども、貪欲の果てに失ってきたものも多いのではないでしょうか? 漂流者が海水を飲むように、飲めば飲むほど喉が渇く…
私達の求めてきた「豊かさ」は、何か間違っていたのかもしれません。

日本もニュージーランドと同じ、豊かな自然を持つ小さな美しい島国です。かつての日本人がそうであったように、私達は簡素な生活と譲りあう心を取り戻すべきではないでしょうか。

2011年9月の言葉

ふりつもる み雪にたへて 色かへぬ 松ぞ雄々しき 人もかくあれ----昭和天皇

この歌は、敗戦後の昭和21年の歌会始にて昭和天皇がおよみになった御製です。国中が焦土と化した日本で、復興に向けて強く雄々しくあれと国民を励ましたメッセージともとれます。

国難とも言うべき惨状がありながら、雪に耐えて色を変えない松のように雄々しくあれと昭和天皇が国民を勇気づけたのが昭和21年のこと。あれから65年の月日が流れました。今年3月11日には東日本大震災で、日本は敗戦以来の大きな打撃を受けました。今上天皇は3月16日のビデオメッセージで被災者に向けて「これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています」とおっしゃいました。

「雄々しさ」という言葉には、昭和天皇が込めた復興への思いが重ねられていることでしょう。全てが津波で流された町にただ一本残った陸前高田の一本松のように、私達も雄々しく生きていかなければなりません。雪に耐え、色を変えず、雄々しく生きていくのです。私達の国の復興を支えるものは、ほかならぬ私達自身の強さなのです! がんばろう! 日本!

2011年8月の言葉

一隅を照らす----伝教大師(最澄)

「古人言く、径寸十枚、これ国宝に非ず。一隅を照す、これ則ち国宝なり、と」伝教大師の『天台法華宗年分学生式』の冒頭に出てくるのがこの一文だそうです。

これは次の中国の故事に由来しています。

むかし、魏王が言った。
「私の国には直径一寸の玉が十枚あって、車の前後を照らす。これが国の宝だ」。
すると、斉王が答えた。
「私の国にはそんな玉はない。だが、それぞれの一隅をしっかり守っている人材がいる。
それぞれが自分の守る一隅を照らせば、車の前後どころか、千里を照らす。これこそ国の宝だ」
と。

国にとっての宝は金銀財宝ではないのです。ひとつの持ち場をしっかり守る人、その一人一人こそが宝なのです。

米ドルもユーロも崩壊寸前で、円ばかりが高くなっています。マネーゲームの結末は、全てが紙切れになろうとしています。そんな中、日本は未曾有の大震災に見舞われました。

絶望的な状況から立ち上がろうとしている人達がいます。自分も何かしたいと思っている人達がいます。小さな子供達ですら、自分にも何かができるはず…と、拳を握り締めています。その姿を見た時、私は、たとえ小さくても一人一人の力を信じずにはいられないのです。それぞれが自分の守るべき一隅を照らす…それこそが最大の力になると私は信じます。

私は私の守るべき一隅を精一杯照らしたい。その力が集まって日本の千里を照らすことができる。日本の復興は私達ひとりひとりが背負っているのです。がんばろう! 日本!

2011年7月の言葉

本来無一物(ほんらいむいちもつ)----禅のことば

私は仏教の世界観が好きで、昔からいろいろな本を読み漁っていました。仏教の思想は論理的・合理的で、かつあらゆるものと持続・共存可能であることにしばしば驚かされます。そんな仏教の中でも思想の核となるシンプルなキーワードのひとつがこの言葉です。

人は皆、裸で生まれ、死ねば全てを失います。その道中はいろいろなものを手に入れたり失ったりして一喜一憂していますが、もともと人間は何も持っていないのです。

生きていくうちに、持てば持つほど失うことが怖くなるのが人間です。政治家も権力に近づくほど、手にしたものを失うことを避けるものです。しかし今、本当に必要な政治家とは、国家国民のために捨て身になれるリーダーではないでしょうか? 本来無一物。初心を忘れず捨て身で頑張ります。

2011年6月の言葉

貴方の中の 最良のものを 世に与え続けましょう----マザー・テレサ

2009年7月23日の日記で紹介させていただいたマザー・テレサさんのことばです。

最近あらためてこの詩を声に出して読んだのですが、涙が溢れてきて最後まで音読することができませんでした。正直に誠実に頑張り続けることがほんとに報われない……という憤りや失望が私の中に日々強くあるもので、この言葉にはいつも泣かされます。

愛しましょう、やり遂げましょう、与え続けましょう……

一言一言が重たく、胸にズシリと迫ってきます。これぐらい腹が据わっていなければ、人のために生きることなどできないのだと思います。この言葉をしみじみ読んだ後には、強く頑張れるような気がしてきます。誰が何と言おうと、気にすることなく、信じた道をただひたむきに。以下、全文。

「愛」
人は 不合理 非論理 利己的です。
気にすることなく 人を愛しましょう。
貴方が 良い事を行うと 利己的な目的で それをしたと言われるでしょう。
気にすることなく 良いことを行いましょう。
目的を達しようとする時 邪魔をする人に出会うでしょう。
気にすることなく やり遂げましょう。
良い事をしても おそらく 翌日には忘れられるでしょう。
気にすることなく し続けましょう。
貴方の正直さと誠実さが 時には貴方を傷つけるでしょう。
気にすることなく 正直で 誠実で有り続けましょう。
貴方の作り上げたものが 壊されるでしょう。
気にすることなく 作り続けましょう。
助けた相手から 恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく 助け続けましょう。
貴方の中の 最良のものを 世に与え続けましょう。
蹴り返されるかもしれません でも気にすることなく最良のものを 与え続けましょう。
最後に振り返ると 貴方にも わかるはず。
結局は 全て貴方と内なる神との間のことなのです。
貴方と 他の人の間であったことは 一度もなかったのです。
マザー・テレサ

2011年5月の言葉

只今の一念より外はこれなく候。一念一念と重ねて一生なり。----山本常朝

佐賀藩士・山本常朝の言葉の聞き書きである『葉隠』から、二度目の引用です。

「人生には結局、現在の一念(ひたすらな思い)よりほかに何も無い」ということです。「その思いをその時々において重ねていくことが一生である」と、続きます。自分がしたいと強く思うこと、自分が生涯を賭けようとしている仕事、その本分に全力を尽くすことが人生である、というふうに読み取ることができます。

東北大震災で傷ついた被災地を見て、自分も何かしたい! という衝動にかられる方も少なくないと思います。しかしこのゴールデンウィーク、被災地へ向かうボランティアの方々に対し、被災地からは早くも受け入れ困難との発表がなされています。現地の受け入れ態勢が整っていない今、自分の交通手段や食糧も確保できていない人がたくさん被災地に押し寄せることは、実は現地の重荷にさえなりかねないのです。

私達が今やるべきことは何か? それは自分の足下をしっかり踏み固めることなのです。建設業、観光業、飲食業、運送業、印刷業、漁業……福岡でも様々な業種が震災の影響で経済的な打撃を受けています。それぞれの人々がそれぞれの立場で自分の足下を踏みしめ、復興の足場を固めなければなりません。

どんな職業も、その仕事を通じて人は社会に貢献しています。どんな時も、自分の仕事に全力を注ぐことで社会に貢献できます。あなたの日々の営みが社会とつながり、被災地とつながっていることを信じましょう。あせらずひたむきに、今自分がなすべきことをやり遂げましょう。そうして足場を固めたうえで、被災地が求めるものをタイムリーに与えられるよう考え続けましょう。

今自分がなすべき目の前のことに全力を尽くす、そこに真髄があります。

2011年4月の言葉

人生って、成功することじゃないんだよ。努力することなんだよ。----前楽天イーグルス監督・野村克也さん

長い冬が明け、希望の春がやってきました。しかし、嬉しい気持ちの人ばかりではないでしょう。受験や就職など、失敗や挫折を味わった方もおられるでしょう。政治の世界にも選挙という厳しい審判が下されます。必ずしも成功する人ばかりではないのが世の中であり、人生です。そしてまた、勝ち続ける人もいない、というのもまた人生です。

では私達は何に価値を求めて生きていくべきなのか? その答がこの言葉に凝縮されています。競争もある、勝敗もある、挫折もある、そんな人生において、目標に向ってひたむきに努力することが何より大切なのです。

短期的に見れば、目の前のチャレンジに成功できたほうがよかったでしょう。しかし、人生は長いのです。目先の勝敗は人生の一部なのです。腐らず焦らず、たゆまぬ歩みを続けていかなければならないのです。そこで努力を積み上げることができた人が、人生の勝利者たりうるのです。

目先の成功に心を奪われてはいけません。一度や二度の失敗に挫けてしまってはいけません。努力、そしてまた、努力。その足跡こそが人生そのものなのです。一歩、そしてまた、一歩。あなたの人生はこれからなのです。

2011年3月の言葉

負けて泣くなら 勝って泣け

今年1月に東京で開催された自民党年次大会にて、各県10秒間、統一地方選に向けたアピールタイムがありました。私は福岡県の代表として10秒間の発表をさせていただきました。北海道から始まり、福岡の出番は40番目くらい…。「10秒じゃ何もアピールなんかできん」と嘆く他県の代表を尻目に、私は一発盛り上げてやろうと目論んでいました。

赤坂プリンスホテルで千人の党員と数十台のテレビカメラを前に、壇上の私が歌ったのがこのフレーズです。「負〜けて泣くなら〜♪ 勝って〜泣け〜♪」

選挙には愚痴も言い訳も必要ありません。勝つか負けるか、厳然たる結果があるばかりです。グズグズ言っている暇があるのなら、今為すべきことに全力を尽くすべきです。

そして結果が出たその時に「よく頑張った」と涙が出るくらい、悔いなくやりきることが大切です。

この春、全国で、私のたくさんの仲間が選挙に挑みます。私を含め、勝つ人もいれば負ける人も出るでしょう。勝って泣くことができるよう、苦しい戦況でも歯を食いしばって今を頑張りましょう!

2011年2月の言葉

今食べてるのは7年前の仕事。今やってるのは10年先の仕事。----岡野工業株式会社・岡野雅行社長

先月東京で開催された自民党党大会にゲストスピーカーで来られた岡野雅行さんの言葉です。昨年のゲストの野村克也さんも絶妙でしたが、今年の岡野社長の話も含蓄深く示唆に富んだものでした。

岡野さんの信条は「他人が作れるものは作らない」です。従業員5人の会社で億の利益を上げる、日本のものづくりのトップランナーです。

岡野さんが7年前世界に先駆けて作ったリチウム電池が、今花開いています。その収益が会社を支えるなか岡野工業はいま何をしているのかというと、10年先に花開く技術を開発しているのです。

努力が報われるにはときとして長い時間が必要ですし、成功してもなお先を見つめて努力を続けなければなりません。日々のたゆまぬ努力が現在を作り未来を作るのです。

私も目先のことであくせくせず、10年単位のスケールで結果が出せるよう日々努力していこうと思います。

2011年1月の言葉

登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる。----ソフトバンク社長 孫正義

現代の立志伝中の人物である孫社長は、福岡の出身。私が通った塾、森田修学館の先輩にあたります。その孫社長が語った成功への第一歩は、「志の大きさ」にあります。心に誓った夢の大きさが、その人の人生のスケールを決めるのです。

私が政治を志したのは、生活のためでもなければ地位や権力を手に入れるためでもありません。3期目の選挙もその当選は目的ではありません。あくまで通過点です。

少年時代に「世界を平和にしたい」と誓って志した政治の道。生き馬の目を抜く国際社会を目の当たりにして、まずは日本の独立と安全を確保することが先決だと痛感しています。

社会保障制度や財政の再建、豊かで公正な社会の実現など内政問題も山積ですが、それらは私が登ると覚悟を決めた山にほかなりません。

一生かけて登る山もあれば、一年かけて登る山もあるでしょう。年頭にあたり、みなさんも今年登る山を決めてみてはいかがでしょうか。

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