言霊〜Supiritual Words

2008年6月の言葉

只今其時、其時只今(ただいまがその時、その時がただいま)――山本常朝

佐賀藩士・山本常朝の武士道論を聞き書きした書、『葉隠』に出てくる言葉です。「その時」とは「人生の大事な場面」と訳してみるとわかりやすいでしょう。「今が人生の大事な場面、人生で大事な場面は今」ということです。

例えばあなたが野球の選手で、いつの日か大リーグの舞台でホームランを打ちたいと夢見ているとします。そのとき大事なことは何でしょう? 私の答えは「日々の一打席、日々の素振り一つに全力を尽くすこと」です。

人生において自分にチャンスがいつ回ってくるかは誰にもわかりません。チャンスの女神は気まぐれです。待てど暮らせどチャンスの欠片も見えない日々を送っていても、思いも寄らないときに突然チャンスが巡ってくることもあります。突然に代打が告げられいきなり打席に立たされたとき、その乾坤一擲のチャンスに結果が出せるかどうかが勝負なのです。打席に立ってジタバタするようではヒットもおぼつきません。来るべきチャンスを信じて平時の努力を怠らないこと、大舞台で打席に立っても気後れしないだけの自信を平時の努力によって身につけること、その心構えがある者こそがチャンスをものにすることができるのです。今がその時である、という真剣さで日々を過ごすことが成功への道なのです。

2008年5月の言葉

OTAGAISAMA〜お互いさま――日本の慣用句

日本に昔から伝わっている慣用表現にはさまざまな良い言葉があります。ケニアのノーベル平和賞受賞者・ワンガリ=マータイさんによって世界的に有名になった「MOTTAINAI(もったいない)」、日本青年会議所が力を入れている「OMOIYARI(思いやり)」などです。私が次に日本の心を世界に紹介するならば……この言葉なんてどうでしょう?

古来、農耕民族として自然と共に生きてきた日本人には、自然を畏れ敬う気持ちや、いいときもあれば悪いときもあるという無常観、家族や地域といった共同体の絆を大切にする心などが育まれてきました。そうしたメンタリティから生まれた発想が「お互いさま」です。困った人がいればゆとりのある人が助けてあげる、そこには何の理屈も打算もありません。自然な気持ちの中で生まれ、自然に実践される相互扶助の心です。

今の日本にお互いさまの心がどれだけ残っているでしょうか? 自分の権利を主張することばかりに心を奪われていないでしょうか? 社会の中で自分が生かされていることに感謝し、社会の一員として善く生きることが大事だと私は思います。それは決して大きな話ではなく、身近なところから始められることだと思います。身近な仲間が困っていれば、自分のできることをしてあげる。話を聞いてあげるだけでもいい、励ましてあげるだけでもいい、駆けつけてあげるだけでもいい。自分にできることをするのが、最大にして最高の、社会を善くする方法です。

時間も労力も費用もかかって、うまくいかなければ逆恨みされることだってあるのですから、人助けは割に合わないことも多いものです。「自分もそんなに楽じゃない状況で、なんでそんなに人にしてあげられるの?」そう聞かれたとき、笑顔でこう答えられたらと思います。

「僕も今までずいぶん人から助けられてきたけんね。困ったときはお互いさまたい。」

2008年4月の言葉

身支度半分(みじたくはんぶん)

西日本銀行勤務時代、渡辺通支店の松本支店長がいつもおっしゃっていた言葉です。4年間の内勤で預金や融資の修行を積んだ後に営業担当になった私は、朝からカブ(50ccのバイク)に乗りお客様のところへ向かっていました。営業社員には毎月預金や融資の目標額があり、それをクリアするために汗をかく日々でした。

ある日の朝、張り切って支店を飛び出した割には、夕方帰って来たときには成果がありません。思わず夕方の営業会議で「今日は資料がなかったので交渉が進みませんでした」と苦し紛れの言い訳をしてしまった私……。そこでいただいた諌めの言葉がこの一言でした。

「出かける前の準備の段階で、仕事は半分終わっていなければならない。準備不足でお客様のところに行くのは、先方にとってもこちらにとっても時間を無駄にすることであり失礼なことだ。準備万端整えて自信を持って出かければ、交渉もスムーズに行く。どんなことでも大事なのは事前の準備で、ことが始まったときには決着がついているのだ」

四月、新年度を迎え皆さんの身支度はいかがですか? しっかり身支度を整え、夢に向かって頑張りましょう!

2008年3月の言葉

人生には解決なんてない。ただ進んでいくエネルギーがあるばかりだ。――サン=テグジュペリ(フランスの作家)

「星の王子様」などを書いたフランスの作家、サン=テグジュペリの言葉です。

高校時代、私が将来政治家になりたいということを告げたとき、アメリカからやってきた教師アラン・ガディ先生は興奮気味に何度も「SOLUTION!」という単語を口にされました。政治とはまさにSOLUTION(問題の解決)なのです。

しかしながらテクジュペリが言うように、「人生には解決なんてない」のと同様、世の中にも単純明快な解決法なんてそうそう転がってはいません。あちらを立てればこちらが立たぬというジレンマの中、さまざまな問題を解決しなければなりません。そんな時に必要なのが、「進んでいくエネルギー」なのです。問題解決への熱意と行動こそが、なんともならない問題をなんとかするのです。

人生の応用問題は小手先のマニュアルで解けるものではありません。全身全霊を賭けて火の玉となって立ち向かってこそ開く扉があります。岩より固い意志と炎のような実行力が必要です。

日々に流され目標を見失ってはいませんか? 目標に向かうエネルギーを充分燃焼させていますか? 人生がエネルギーの燃焼であるならば、充実した日々を送って完全燃焼したいものですね。

2008年2月の言葉

成功の要諦は、成功するまで続けることである――松下幸之助・松下電器産業創業者

言わずと知れた経営の神様・松下幸之助氏の言葉です。「そうか成功するまで頑張ればいいのか!」というシンプルで前向きな受け止め方も可能ですし、逆説的に「頑張り続ける気概のない人に成功はない」ととることもできますね。優しくも厳しくも受け取れるところがこの言葉の深いところのような気がします。

人は誰も失敗などしたいはずもなく、できることなら手っ取り早く成功したいものです。私のもとにも「どうすれば選挙に当選できますか?」といった問い合わせや取材がたまに来ます。そうした人の「どうすれば成功できますか?」という問いへの答えとも言えるのがこの言葉です。

人生には成功のマニュアルなどないのです。

サラリと「続ける」とおっしゃっていますが、その「続ける」ことが大変なのです。「失敗しても失敗しても成功するまで諦めず頑張り続ける」ということで、石にかじりついてもやり遂げる根性と熱意がなければ成功はおぼつかないということでしょう。その覚悟なしに簡単に成功などはないのです。

逆に、どんなに不可能に思える道のりであっても、諦めない限り成功への道は閉ざされていないのだという希望の言葉でもあります。「そんなことは無理だよ」と簡単に人の夢や努力を否定する人もいますが、愚直であっても一歩一歩前へ進み続ける人に、私はエールを贈りたいと思います。

2008年1月の言葉

自分が投げたボールが自分に返ってくる――友人・高橋努武さんのことば

昨年末に福岡青年会議所を卒業された先輩・高橋努武さんの言葉です。仏教にも造詣の深い高橋さんは青年会議所内にも信者(?)が多く、彼を尊敬し慕う後輩たちにいつも囲まれていました。いわゆる「因果応報」の概念をわかりやすく表現したのがこの言葉です。

経営の苦労、組織運営の悩み、人間関係のトラブル、さまざまな相談に対して高橋さんはこう答えます。「人にはいろんな悩みがある。でもそのときによく考えてごらん。全部自分がやったことが返ってきようとよ。自分が投げたボールが、そのまま自分のとこに返ってきようと。自分にふりかかる全ての問題は、自分が引き起こしとうとよ。人のせいにしちゃいかんよ。まず自分のことを振り返ってごらん。必ず自分の中になおさんといかんところがあるけん」

確かに、人は苦しいとき、その原因を外に求めがちです。しかしこの言葉は「悩みの原因は必ず自分にある」としています。人のせいにして悪口を言う前に、自分に非はないのか振り返ることが必要です。自分にできる最善は、自分の行いを善くすることなのです。

私自身に対する反省も込めて、この言葉を本年最初のことばとさせていただきます。

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