卵を割らねばオムレツは作れない
“You can’t make an omelet without breaking a few eggs.”
「卵を割らねばオムレツは作れない」とは、何か偉大なことをするときには、何人かの人たちを怒らせたり、迷惑をかけたりすることは避けられないという意味です。日本の諺で言えば「虎穴に入らずんば虎子を得ず」というところでしょうか。
固定した現状を変えようとすれば摩擦が生じます。摩擦を恐れず立ち向かわないと現状は変えられません。一般社会でも政治の世界でもそれは同じではないでしょうか?どんな理想を求め(オムレツ)どんな現状を打破していくか(卵)、一日一日が挑戦です。
一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが処世上の第一要件である
NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公である実業家・渋沢栄一の言葉です。
前半部分、人はそれぞれ天の使命を持っているという部分に共感するとともに、それを「楽しんで生きる」ことが「処世上の第一要件」としているところに懐の深さを感じます。
使命感をもって働いていても、あらゆる仕事には困難がともないます。投げ出したくなることもあるでしょう。しかしそれを乗り越えていく秘訣は、「楽しんで生きる」という姿勢なのでしょう。四角四面の使命感にとらわれて押しつぶされるよりも、良いことも悪いことも天命でありそれをひっくるめて受け入れて楽しんだほうが、長く頑張ることができるのだと思います。肩の力を抜いて、天命を楽しんで生きてみようと思います。
許すということは、強さの証だ
長引くコロナ禍で、人の心も荒んでいます。根本的な原因はコロナという疫病ですので誰のせいにもできないのですが、人は弱い生き物で、その苦しさを誰かのせいにしてしまいがちです。溜まったフラストレーションは怒りとなり、他者に向かいます。マスクをしていない人を糾弾するマスク警察、自粛をしない人を責めたてる自粛警察…怒りの連鎖は人々を萎縮させ、萎縮させられた人々はさらにフラストレーションを溜め込むという悪循環が続いています。
「コロナよりも怖いのは人だった。」新型コロナに感染した人が語った感想です。人を叩くという行動は、巡り巡って自分の環境をも窮屈なものにしていきます。皆が人を許す心の強さ・優しさを持てば、苦しいコロナ禍も少し楽になるのではないでしょうか。苦しい中でも優しい気持ちを忘れず、思いやりの連鎖を作っていきましょう!
一生辛苦、為に情多し
ウィキペディアでは「石如の出現で清代の篆書・隷書が一変したと言っても過言ではない。」と記述されているほどの書家ですが、その人生は苦労の多いものだったようです。この言葉も「私の人生は一生苦労の連続だった。だからこそ、情が多い(他人の苦しみや悲しみが良くわかる)のだよ。」という意味です。
人間、苦労を経験しなければ、他人の痛みはわからないものです。新型コロナという未曽有の困難も、ここで苦労したことが人生の糧になると思って、逃げずに立ち向かいたいと思います。