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日経新聞 交遊抄に掲載

4月2日

日本経済新聞の名物コラム「交遊抄」より執筆依頼があり、拙文を掲載していただきました

(2024年4月2日 日本経済新聞 朝刊 40面)

銀行員時代から読んでいた(私の履歴書などが載っている)あの面に執筆することになるとは!と感慨深いです。

「どん」の風格 鬼木誠

少年期に政治を志した。大学時に地元議員の事務所で勉強させてもらい、政治に接点を持つことができた。その感謝の思いも胸に、現在インターン生を受け入れている。

永山由高君との出会いはいまから20年前に遡る。当時、福岡県議だった私のもとに初のインターン生としてやって来た。九州大2年生の永山くんは19歳、県議初当選の私は31歳だった。

「もしわが家に男の子が産まれたら呑(どん)と名づける。どんは鹿児島弁の敬称で、西郷どんのどん。清濁併せ呑む器量の大きな人物に育つように」。私の放言に「3年間事務所に通った中で一番勉強になりました」と返す感受性の持ち主だった。

大学卒業後、日本政策投資銀行に勤めた永山君は3年ほどで銀行を退職し、鹿児島に帰ってまちづくりのNPOを立ち上げた。「食っていけるのか?」。心配をよそにNPOを軌道に乗せ、結婚して男の子を授かった。「呑と名付けていいですか?」。連絡が来た時にはたまげた。

彼はその後、鹿児島県日置市で市長になった。先日初めて東京で呑んだ。中学時代は陸上で九州チャンピオンになるほどのアスリートだった。いまでは西郷どんのような風格を備えつつある姿にまた、たまげた。(おにき・まこと=防衛副大臣)