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情報のバイアス

 国会の予算委員会でも「正常性バイアス」という言葉が出てきました。

奇しくも私がおにき誠政治塾on the webの第1回で扱ったテーマが「情報のバイアス」でした。
バイアスとは、偏り・偏見・先入観といった意味で、物事のありのままの姿を正しく認識できない状態を言います。

 私は九大法学部で薮野祐三教授から「希望と事実を混同してはいけない」と口を酸っぱくして叩き込まれました。
今の新型コロナによる混乱下、人は「こうであってほしい!」という希望と「こうである」という事実をしばしば混同しています。
早く特効薬が見つかってほしい!日本の技術で開発してほしい!という希望がアビガンを持ち上げ、テレビのコメンテーターが「あの時アビガンが投与されていれば…」と死者を悼むと、世論はアビガン投入に一気に振れます。

しかし、アビガンが本当に効果があるのか?副作用は危険でないのか?科学的な根拠が必要です。
こういう「まだるっこしい専門家の意見は聞きたくない!」というのも、早く結果を出してほしいという「希望」がもたらすバイアスです。
かくしてワイドショーによる根拠のない感情的な意見が世論を席巻します。

こんな時こそ冷静に、日本で最も感染症のことをわかっている人達の意見に耳を傾けたいと思います。