現在地球上には、人類が克服しなければならない問題がたくさんあります。地球の人口が増大を続けている中で、資源、食糧、環境面では限界が見えつつあり、人類の争いなき持続可能な発展は困難であろうと推測されています。極端な表現をするならば、人類は資源と食糧の獲得競争の時代に突入し、また人類自身の環境破壊によって人類が危機的状況に追い込まれつつあるのです。これらの課題を克服する切り札として私が期待をよせるのが「ミドリムシ」です。今回は私が県議会で取り上げた「ミドリムシの可能性」について特集します。
ミドリムシって何?
ミドリムシとは、淡水に生息する体長0.1ミリ以下の単細胞生物です。一本の鞭毛で動くという意味では動物の性質を持ち、葉緑体を持ち光合成を行うという意味では植物の性質を持つという変わった生物です。ゾウリムシと並んで代表的な単細胞生物なので、学校で習った記憶がある方もいらっしゃるでしょう。そのミドリムシが、凄い可能性を持っているのです!
食糧資源としての可能性
ミドリムシは食物連鎖の底辺に位置し、さまざまな栄養素を持っています。動物と植物の両方の性質を持っているため、豊富なビタミン群、全ての必須アミノ酸など人間が生活するのに必要な栄養素のほぼ全てをバランスよく含んでいます。栄養価も高く少量での栄養補給が可能なため、ビタミンA不足などの問題を抱える発展途上国の食糧問題解決に貢献できる可能性を持っています。日本ではクッキーやドーナツに混ぜて食用したり、サプリメントとして商品化されています。また、人が直接食べるだけでなく、農作物の堆肥や動物用の飼料としても活用できます。
エネルギーとしての可能性
ミドリムシなどの藻類は細胞内に脂質が多く、良質なディーゼル燃料になるとして注目されています。いわゆるバイオマス燃料であり、ミドリムシ自体が燃料になるのです。培養したミドリムシからバイオ燃料を作り発電などに利用、そこで排出される二酸化炭素で再度ミドリムシを培養――という循環システムの開発が期待されています。また、ミドリムシを育てるには何の環境破壊も発生しません。水と太陽の光と二酸化炭素だけで人類にとって有用な有機物を作り出すのです。食糧と競合せずカーボンオフセットを実現できる、海外でも注目の次世代バイオ燃料なのです。ミドリムシ燃料で飛行機を飛ばす実用化実験も、新日本石油が始めています。
地球温暖化対策としてのミドリムシ
ミドリムシは二酸化炭素を吸収し有用な物質に変換する能力を持っています。平均的な火力発電所が1年間で排出する二酸化炭素は157万トン。この二酸化炭素をミドリムシに吸収させることによって、有用な資源として再利用が可能です。地球温暖化の元凶である二酸化炭素を吸収してエネルギーを作り出すなんて、夢のような話ではありませんか! まさに「ミドリムシが世界を救う」です。
日本の課題、食糧とエネルギー
一昨年のことです。世界の投機マネーが中東に流入し、原油価格が一気に高騰しました。日本でもガソリンや軽油の値段が跳ね上がり、運送業者や漁業者、多くの国民が苦しみました。その時アメリカでは、原油に替わるエネルギーとしてバイオ燃料の原料にトウモロコシを大量使用しました。そこで日本に何が起こったかというと、家畜の飼料価格が暴騰したのです。世界の投機マネーの動きひとつで、日本はたいへんな打撃をこうむりました。ガソリンと飼料価格の高騰、これらのショックは何をあらわしているのか? ほかでもない、「日本はエネルギーと食糧を自給できていない!」という事実です。日本のエネルギーと食糧の自給率を高めるという意味でも、ミドリムシ研究は重要な意味を持っているのです。
日本、いや世界をも救う可能性を持つミドリムシ。その研究推進を、私も県議会で提案したところです。実用化された未来を見てみたいものです。
ギリシア財政危機はひとごとではない!——コラム「鬼が斬る」——
EU加盟国であるギリシアが財政破綻をきたし、世界経済に大きな衝撃を与えています。ギリシャの政府債務は現在GDPの115%で、EUでは最大規模です。一方、平成22年度の日本の長期債務残高は、国・地方合わせて対GDP比181%の862兆円です。民主党政権となって初となる今年の予算規模は、約92兆円と過去最大。税収よりも国債発行が大きいという異常な事態となっています。社会保障費や文教費が増えたのは一見良いことのようですが、財源のない政策では借金は増えるばかりです。日本の未来を支える子供達のためにつけた予算は、皮肉なことに将来的にはその子供達の負担になっていくのです。今日本に必要なことは、財政と社会保障の持続可能な構造を設計すること。今の日本の財政構造は持続不可能であることを認め、税金を増やすかサービスを低下させるかしなければ、このままの借金まみれの国家運営では日本もギリシアの轍を踏むことを、政治家は国民に率直に語るべきです。

