福岡県議会の9月議会において、「福岡水素エネルギー戦略会議」に対する補正予算14,729千円が可決されました。私はこの事業を所管する商工生活労働委員会に所属しており、この取り組みを積極的に応援してきました。今回のおにきどんタイムズは、この取り組みにスポットライトをあててみたいと思います。
水素エネルギーとは、水素と酸素を反応させて電気を取り出すものです。それにより発生するのは水だけであり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しません。化石燃料に変わるクリーンエネルギーであり人類究極のエネルギーとも言われています。このシステムは燃料電池とも呼ばれており、最近では自動車などでの応用で注目されています。今年の正月の箱根駅伝では水素を利用した燃料電池自動車が、大会本部の先導車として走行していました。
これは同じ水素でも、核融合を用いる水素爆弾といったものとは根本的に仕組みが異なります。環境にやさしい次世代エネルギーなのです!
今年の夏は長く、ヒートアイランド現象の影響もあり記録的な暑さでした。また、いくつもの台風が日本に上陸し、大きな爪痕を残しました。これらの異常気象の一因と言われているのが、CO2排出による地球温暖化です。従来の化石燃料(石油・ガス)は、燃焼時にCO2を排出し、地球環境に大きな影響を与えてきました。温室効果ガスの排出を制限する「京都議定書」も、ロシアの参加でいよいよ発効となる予定です。環境に対する危機感が高まる中、クリーンエネルギーの開発が世界レベルの急務となっています。
化石燃料の限界も見えてきています。石油の埋蔵量は限られており、現在の消費量ではあと50年もすれば枯渇するだろうと言われています(30年前には「あと30年でなくなる!」と言われていたのですが(^_^;)ともかく近い将来の枯渇に備えなければならないことは確かです)また、限られた資源である石油をめぐって、世界中で争いが繰り広げられていることも無視できない現実です。石油から水素へ、このエネルギーシフトは石油文明時代から水素文明時代への転換とも言われています。
さて、このような世界的な大きな課題に、なぜ福岡県が取り組むことになったのでしょう? その鍵は九州大学にありました。実は九州大学は水素エネルギーの研究において、世界でもトップレベルの実績を持っているのです。21世紀COEプログラムという、文部科学省の重点的な支援事業に認定されました。この研究実績の蓄積をベースに福岡県が立ち上げたのが福岡水素エネルギー戦略会議です。この事業のスゴイところは、トヨタや新日鐵といった日本の名だたる企業が参加するところです。民間の研究ノウハウや開発費が加われば、ますます世界最高水準への期待が高まります。他の地域でも手を挙げるところはあったのですが、九州大学の研究実績が決め手となり福岡が誘致に成功しました。産学官が一体となって、水素エネルギーの実用化にむけて取り組みます。
水素エネルギーの利用が普及すると、世の中がどう変わるのでしょうか? わかりやすい例では、ガソリンスタンドが水素ステーションに変わります。また、各家庭に水素の燃料電池を設置し家庭の電気をまかなうようになれば、街中の電柱や電線がなくなります。そのように機械や設備、社会資本自体が水素エネルギー仕様に変わっていきます。したがって産業に与える影響は大きく、裾野も広いと言えるでしょう。福岡にとっても、水素エネルギー最先端の地として関連産業が育ち、経済効果が期待されています。実用化にむけてはたくさんの課題があり、現在その解決にむけて鋭意研究中ですが、そう遠くない将来、クリーンエネルギーへのシフトが現実のものとなることでしょう。世界のエネルギー問題の解決に福岡が挑むなんて、素晴らしいと思いませんか? 今後も水素エネルギー研究に注目し、応援を続けていきたいと思っています。
福岡県議会9月定例会において、代表質問に立ちました。代表質問とは会派を代表して行うもので、私は緑友会・新風を代表し約45分の質問をしました。福岡県に関する重要な論点について県の取り組みや姿勢を質しました。主な内容は以下のとおりです。詳しい質問内容と県の回答は、福岡県議会のホームページにアップされます。
九州大学は「学術研究都市構想」により、福岡市西区の元岡地区への移転が決定しています。このプロジェクトは21世紀における「産学官が連携した街作り」のモデルとして計画されました。しかし国の予算削減などを理由に、移転完了時期が当初計画より5年遅れの2019年にずれこみました。 大学が都心部を離れると学力レベルが低下するというのは、全国で見られる傾向です。また、国立大学の独立行政法人化(国に頼らず独立採算でやりなさい、という流れ)もあり、九州大学の関係者は九大のレベルが保っていけるのかたいへんな不安を感じています。
九州大学の研究実績には、世界的にも相当な価値があるものがたくさん存在するのです。今回の特集記事である水素エネルギーの研究もそうですし、先日は環境工学研究室に見学に行き衝撃を受けました。福岡の鉱害(ボタ山や赤水といった炭坑による環境被害)の研究を、災害予防や中国の環境問題の解決に応用する試みです。九大の環境研究が日本、そして世界レベルで役に立とうとしています。アジアの時代・地方分権の時代にむけて、九大のレベルを落とすことは絶対にあってはなりません!