道路特定財源の暫定税率について、私の意見を緊急発表いたします。
結論から言えば「現時点で暫定税率を廃止すれば地方財政はことごとく破綻に陥り、国民生活は混乱と打撃に見舞われるため、現時点の全廃は容認できない」ということです。ガソリン税等が全てムダな道路とその利権のために使われているかのような報道はあまりにも行き過ぎであり、道路特定財源の本質と地方財政の現実を理解していません。福岡県の場合、暫定税率廃止により、(1)県財政全体に与える影響と(2)道路事業自体への影響が大きく発生します。
まず(1)県財政全体に与える影響から説明します。
福岡県全体(市町村を含む)では、暫定税率の廃止により税収が約360億円の減となります。緊縮予算で必死にやりくりしている県財政からいきなり360億円が不足するのです。これは県全体の道路歳出の約15%に相当し、まず道路整備に大きな影響を与えます(後述)。
さらにこれは県全体の税収の約3%に相当し、県財政にも大きな打撃となります。道路のための特定財源なので他の分野には影響がないように思えますが、決してそうではありません。過去に県債を発行して道路を作った分の、借金を返す財源も不足してしまいます。返済するための財源が不足するわけですから、道路特定財源がなくなったときには一般財源から返済資金を捻出しなければならなくなります。ただでさえ余裕のない予算編成であるのにここからさらに返済資金を捻出するとなると、教育や福祉といった分野の予算にもしわ寄せが来て、それこそ県民生活を直撃することとなります。
次に(2)道路事業自体への影響について説明します。
ガソリン税の1/4は交付金として地方の道路整備に充てられているため、暫定税率が廃止されると地方の道路整備に大きく影響します。福岡県では交付金や補助金の減少などにより事業費が約830億円減少するおそれがあります。さらに交付金の制度を定めている法案が可決されなければ、事業費1200億円が減少し、事業の継続そのものが不可能となりストップします。
悪影響が予想される事業中の路線としては、一般国道3号、10号、201号、202号、208号、322号、442号、443号、主要地方道・南関大牟田北線、筑紫野古賀線、などがあります。また、道路整備とは新しい道路を作ることだけではなく、修理なども含みます。身近にある傷んだ橋やトンネル、危険な交差点などの補修・維持などもできなくなってしまいます。
ガソリン値下げ隊と称して国会で騒いでいる人達は、これらの現実をわかってやっているのでしょうか? ガソリンが25円安くなる一方で地方行政や国民生活にしわ寄せがくれば、そのときにはまた与党が悪いと騒ぐつもりなのでしょうか? それとも、この財源が国にとって必要不可欠なことをわかったうえで、ガソリンを一時的に値下げする党利党略のためにやっているのでしょうか?
この問題は決して「道路利権か国民生活か?」という二者択一ではありません。自民党や地方六団体は、利権の維持のために抵抗しているのではありません。報道のバッシングを受けながら、国民生活の安定のために踏ん張っているのです。もちろん指摘があるような「無駄な道路」や「一般財源化」という議論については真剣に考えなければいけませんが、地方財政の予算編成が執行となる4月に代替策もなく暫定税率廃止を持ち出すなど、本当に国民に対して責任ある行動だとはとても思えません。どうか国民のみなさんのご理解とご支持を賜りますよう願うばかりです。