福岡県議会議員 おにき誠 公式ウェブサイト

ブラジル訪問記「リオ・デ・ジャネイロの光と影」

今日は飛行機に乗ってリオ・デ・ジャネイロ(以下リオと略記)へ。
国内線用のサントス・ドゥモン空港はリオの中心部にほど近く、「世界で最も便利で美しい空港」と言われているらしい。確かに採光の良い美しい作りで、壁には現代絵画が描いてあった。

バスで空港を出発するとすぐに市の中心部へ出る。1960年のブラジリア遷都まで首都であったこの地は、ポルトガル統治時代の面影を各所に残している。リオのカーニバルに使われるという巨大な観覧スタンドや、収容人数11万5千人のマラカナン・サッカースタジアムを車窓から眺めた。

大きな団地の下のトンネルを通過する。なんでもここは先に低所得者向けの団地が建っていたのだが、トンネル工事の立ち退きに反対した住民側の主張が通って団地を残したままトンネルを掘ったのだとか。このトンネルをくぐると景色が一変する。人口20万人・世界最大とも言われる大スラム街だ。

リオには相続税というものがない。それは「豊かな人はより豊かに、貧しい人は貧しいまま」という政策的なものからきているそうだ。他にもブラジルでは階級維持のための愚民政策が残っているという。国があえて国民に豊かな教育を与えないのだ。そのほうが現在の身分・階層が保たれ統治しやすいのだ。現在のブラジルでは初めて労働党の大統領が政権を握っているが、これは貧困層へのバラマキ政策が大衆に受けたからだそうだ。こうした愚民政策の弊害により、全体の国力が底上げされないという現実がある。

2007リオ世界柔道が開催されたリオ・セントロ・コンベンションセンターを見学。バスで有名なイパネマ海岸・コパカバーナ海岸へと向かう。途中路上でさまざまな商売をする人を見る。「20万人ものスラム生活はどうやって食っていってるんだろう?」という疑問の一部が解けた。

昼食をとりコルコバードの丘へ。ロープウェイで頂上へ登ると有名な巨大キリスト像が。ところが当日は天候不良のためキリスト像はほとんど見えず。むしろこんな日は年間何日もないらしい。丘から見下ろした景色と巨大キリスト像はリオの名物なので、これが見られなかったのは残念。

丘を下り、リオ国立美術館へ。建物は立派だったが、ヨーロッパの歴史・風景画で暗い色調のものが多く、目を引くものはなかった(私の主観だが)。見学に来ていた子ども達が「日本語を教えて!」とジャレついてきた。後方に見える彫刻はサモトラケのニケ像のレプリカ。

帰りの飛行場に着いたときには日も暮れ、丘の上のキリスト像はライトアップされていた。晴れていれば本当に美しかったことだろう。カーニバルやビーチリゾート、世界3大美港といわれるリオであるが、悪天候も手伝って貧しく治安の悪いリオの方が印象に焼きついてしまった。陽気な都市の光と影を見た思いだ。「愚民政策で教育も与えられないなら、貧しい人々が一攫千金を可能にするサクセスストーリーはサッカーしかないのかな? ブラジルがサッカー大国なのは、政治と無関係ではないのかもしれない。」なんてことを考えつつサンパウロへと帰った。

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