

「政治家の品格、有権者の品格」金 美齢~ゴマブックス
私が「おにきまこと政治塾」で講義を行う際、冒頭に必ず言う言葉がある。
「政治家と有権者とは車輪の両輪である。政治家がまっすぐに進もうとしても、有権者が曲がった要求をすれば政治は曲がる。有権者がまっすぐな政治を求めても、政治家が曲がった私欲に走れば政治は曲がる。政治という車をまっすぐに走らせるためには、政治家と有権者が同じベクトルで前に進まなければならない。」
この本はタイトルどおり、まさに政治家と有権者のあり方について書いたものである。
現在の日本の政治は、マスコミ世論に政治が擦り寄るポピュリズムに陥ろうとしている。
信念を貫く政治家と、そんな政治家を支える国民の必要性がこの本では説かれている。
台湾人という運命に翻弄されてきた金さんは、国というものの大切さをよく知っている。
台湾の方から日本の素晴らしさを教えられたり、国の行く末を心配されたりする現状を、私は日本人として恥ずかしく思った(金さんには感謝しているが)。
186ページからの「おわりに」を読むだけでもこの本の価値がわかると思う。
「国とは依存するもの、あるいは権力を振りかざして自分たちの自由を侵害する悪いものだと思い込み、平然とないがしろにしていられるのだと思います。実に残念で悲しいことです。」
「この危機に対応するには、本当の意味で日本の将来にわたる国益を第一に考え、その信念を国政の場で実践できる品格ある政治家が不可欠です。一方で有権者は、メディアの偏った情報に惑わされず、政治家の甘い言葉や中身のないパフォーマンスなどにも騙されない賢さが必要です。」
「良い政治家を選び、育て、監視できる賢い有権者になるための一助となれば、著者としてこれ以上の喜びはありません」
今の日本人に「政治家を育てる」という感覚があるだろうか?
ひとごとのように「政治が悪い」という前に、もっと前向きな形で政治に関与するべきだと思う。
何度も言うが、民主主義において政治家と有権者は車輪の両輪なのだから。
非常に読みやすく内容も濃い本なので、ぜひご一読いただきたい。