今月の言葉

われいまだ木鶏たりえず
(第35代横綱 双葉山定次)
不世出の大横綱・双葉山の言葉です。木鶏とは中国の古典『荘子』に出てくる故事で、木でできた鶏のようにどんな挑発にも超然と構える最強の闘鶏を言います。
 少年時代の負傷がもとで右目が失明状態だった双葉山ですが、そのことを誰にも告げずひたすら精進を続けました。横綱となった双葉山は69連勝という大記録を打ちたてます。連勝が途切れたその日、彼が友人宛に送った電報がこの言葉でした。
「イマダモッケイタリエズ」
 木で作った鶏のように無心の境地に至れなかった自分を戒め、さらなる精進を誓った言葉です。孤高なまでに相撲道と向き合い、己の限界に挑み続けたその生き様は今も多くの力士の模範となっているということです。
 双葉山ほどの大横綱でも木鶏となることはできなかったと言います。振り返って私自身を省みる時、いかに自分が小さいかということに気がつきます。日々の小さなことひとつひとつに悩み、傷つき、怒り、心を乱しています。相撲道にひたむきに打ち込み木鶏たろうとした双葉山の志の高さを見習いたいものです。政治家の一挙一動は世の中の厳しい目と批判にさらされますが、一喜一憂せず信じた道をひた進む木鶏となりたいと思います。
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