平成22年度 予算特別委員会「コンクリートから人へについて」


鬼木 誠委員
自民党県議団の鬼木誠でございます。毎日言っておりますが、働かない人が得をする社会を選ぶのか、まじめに働く人が報われる社会を目指すのか、どちらを麻生福岡県政は志向するのかということをテーマでやらせていただいておりますが、まさに先ほどの吉松委員の議論、地域のために命がけでやってある方々が報われないという強い憤りを本当に私も共感いたしました。
今回、私は、「コンクリートから人へ」というキャッチコピーについて検証させていただきたいと思っております。
このコピーは、土木や建築にお金を使うのは無駄遣いで、福祉や教育など直接人にかかわるものに使うべきだという意味で使われてきたと理解しています。一見その言葉は美しいのですが、果たして本当にそれが国民のためになるのか、検証が必要だと考えております。
まず資料要求いたします。福岡県の公共事業費は前年比どうなったか。国から来るお金は減ったのか、資料を要求いたします。
新村雅彦副委員長
それでは、資料が配付されましたので、鬼木委員、質疑を行ってください。
鬼木 誠委員
それでは、説明をお願いします。簡単で結構です。
大渕県土整備総務課長
資料でございますけれども、これは、八款県土整備費のうち県土整備部及び建築都市部の公共事業費の平成二十二年度と二十一年度の当初予算の対比表でございます。
表の一番下が、合計と書いておりますけれども、事業費の合計でございまして、対前年度比九六%、四%の減額となっております。また、上のほうの表で一番上でございますけれど、国の補助を受けまして実施します事業の財源のうち、国庫支出金は対前年度比九〇%、一〇%の減額となっております。
簡単ですけれども、説明は以上でございます。
鬼木 誠委員
福岡県に国から来る国庫支出金は一〇%のマイナスということですが、それでは、国全体の予算では公共事業費は何%減っているのでしょうか。
大渕県土整備総務課長
国土交通省関係の公共事業費でございますけれども、対前年度比約一五%の減となっております。
鬼木 誠委員
国全体では公共事業費が一五%減っているという中で、福岡県は、その国から来る額を一〇%の減に抑えているという意味では、よく頑張って予算確保していただいたなと思いますし、また、県の一般財源からは二二二%ということで、大変公共事業をよくやっていただいたと、そういうことがこの資料からは見てとれます。
それでは、こうやって福岡県が頑張って予算を捻出してくれた公共事業、土木・建築といった公共投資にはどういう政策的な意味があるのでしょうか。
櫨川企画交通課長
公共投資によりまして、県民生活に必要な社会資本の整備やその維持管理を行うことによりまして、活力ある地域社会の構築並びに安全安心で豊かな県民生活が実現することによりまして、県民福祉の向上が図られるものと考えております。あわせまして、雇用の創出や景気浮揚の効果もあるものと考えております。
鬼木 誠委員
簡単に言いますと、社会資本を整備して、また、副次的には景気、雇用を浮揚させる効果があるということですね。
百万円の公共事業をやったとしますと、幾らの景気浮揚効果があるのでしょうか。そういう試算はありますでしょうか。
櫨川企画交通課長
公共事業を行いますことによりまして、建設資材の購入ですとか、そういうことが必要となりますので、関連する産業の生産を広く誘発いたします。また、これに加えまして、これら産業の雇用者の消費によりまして、他の産業の生産を誘発など、いわゆる公共投資の経済波及効果は非常に幅広いものとなってございます。
公共事業への投資の効果がどれくらいあるかということでございますけれども、国の平成二十一年の試算によりますと、約一・九倍の経済波及効果があるというような試算がなされているところでございます。
鬼木 誠委員
公共投資、公共事業の投資の国での経済波及効果の試算は約一・九倍ということですが、私のいろいろな経験では、もっと効果がありそうに感じるんですね。百万円が発注されたとしたら、それが下請の売上になり、また、孫請の売上になり、そして、さらに社員の生活の糧になり、会社としても設備投資や、また、飲食などいろいろな面でお金を使って、幅広くお金が回っていくと、そういうふうに体感しているところでございます。
それでは、公共事業が長期にわたる投資であるという面から考えまして、道路や橋梁の耐用年数、大体何年ぐらいになっているものでしょうか
松藤道路維持課長
道路、橋梁におきましては、適切に維持管理を行いますと、長期間にわたり機能を発揮しているところでございます。ちなみに福岡県が管理しております十五メーター以上のコンクリートの橋梁では、古い物で八十年以上使用されているものもございます。
鬼木 誠委員
そのように、長い例で八十年という年数を出していただきましたが、長期の投資だから長期で返済する公債の発行が認められるわけですね。バランスシートで言うところの長期の資産の購入を長期資金で賄うということなんですね。
それでは、建設債という考え方があると思います。赤字債と建設債、この建設債の考え方をどなたか説明していただけますでしょうか。
高橋財政課長
先ほど委員おっしゃいました公共投資、こういったものに充当する国債あるいは地方債、これのことを大体建設債と申しております。
鬼木 誠委員
もうちょっと詳しく説明していただきたかったんですが、さっきの長期という話がありました。私が説明しますと、長期で使用する道路などの公共財について発行できるというのが建設債ですよね。それは、長く使う、そして世代間にわたって利用するという公平性を期するために、長い建設債を発行して、利用しながら償還していくと。それで認められている借金なんですね。
ところが、教育や福祉と、そしてまた、このたびの子ども手当というものは、資産を残すわけではない、短期の資金なんですね。これは公債という長期の資金で賄うべきものではないと私は考えるんですね。財政のバランス、資産と負債の長短のバランスががたがたになるわけです。
民間企業では、決算書があってバランスシートがあります。その考え方で言いますと、短期で使い切る流動資産、一年以内に使ってしまう流動資産という資産は、短期の借入金を起こすわけですね。長期で使用できる固定資産については、長期で返す長期資金で賄うわけですね。この長短のバランスがとれていないと財政は悪化していくというのは、バランスシートの中では普通の考え方なんですね。
一年一年使い切ってなくなる福祉や教育のお金は、長期の借金で賄ってはいけないんですね。これを長期の借金で賄うと、例えば子ども手当、五兆三千億円のお金を世帯に渡したとしますと、一年でその五兆三千億円はどこに行ったかわからなくなりますが、国には五兆三千億の借金が残るわけですね。つまり借金が年々累増することになると。ですから、ソフトの政策については財源が必要なんですよ、借金ではなくて。
財政課長、ことし国が支給する子ども手当の総額と、その原資は何ですか。
高橋財政課長
二十二年度の子ども手当、国全体の給付費は二兆二千五百億円余りであります。
それで、国が負担することになります子ども手当の原資という御質問でしたけれども、これは国において明らかにはされておりませんけれども、国の一般会計の予算、九十二兆円あります。この財源ですけれども、国税と国債と特別会計からの基金の繰出金などといったものから構成されておりますので、こうした財源が子ども手当に割り振られているということが考えられると思います。
鬼木 誠委員
今のお答え、要は何が原資なのかわからないということですよね。国は明らかにしていない。国税、国債、特別会計からの基金の繰出金といったものから割り振られていると考えていますということは、要はうやむやなわけですね。国も明らかにしていない。地方にとってもわからない。財源が何だかわからない。そういう状況で、一年目、子ども手当が見切り発車ではないですが、スタートしようとしているという状況なんですね。
公共事業で問題になったのは、車が通らない道路など費用対効果が合わない事業について無駄遣いなんじゃないかという批判が高まったのだと思います。ただ、これは、先ほど、公共事業の政策目的、政策効果について説明しました。政策が悪かったのではなくて、運用が悪かったんですね。ほとんど車が通らない道路や採算の合わない空港が全国にできた。そこは謙虚な反省が必要だと思います。無駄遣いはなくさなくてはならない。それはそのとおりです。しかし、公共事業の無駄をなくした分は、建設国債の発行が減らされるだけで、福祉、教育に充てるお金、それは別の財源が必要になるんですね。わかりますか。
もう一回説明しますね。公共事業の無駄遣いはなくさないといけない。なくします。そうしたら、その分の建設国債の発行が抑制されるだけで、福祉に回せるお金が出てくるわけではないということなんですね。ですから、福祉、教育、子ども手当に充てるお金については別途財源が必要になるんです。
子ども手当、今年度は埋蔵金を充ててしのいだようですが、来年以降は財源がないことは明白です。国の借金や税金の増、税収の増もしくは徴税額の増、これをなしに子ども手当五兆三千億円ができるものではない。それを「コンクリートから人へ」というフレーズで、できないことを約束している。民主党の国会議員の皆さん、この事実をわかって言っているんでしょうかね。────────────────────────わかっていなくてやっているのならば、ちょっと勉強していただきたいですね。だれか教えてやってほしいですよ。教えてやってください。
したがって、財源をうやむやにしたまま、「コンクリートから人」へを文字どおり実行し、公共事業予算を福祉や教育に回すということになれば、毎年の国の必要運転資金は増加し、借金は累増し、社会資本の整備補修はおくれ、景気、雇用の創出にも効果は薄いという結果を招きます。その結果でき上がるのが、大きな政府、コスト高の国家、それにもたれかかる国民性です。
私が言いたいことを整理しますと、一、公共事業は社会資本の整備であり、今後も必要である。二、公共事業にはすそ野の広い景気浮揚効果という副次的な政策目的がある。三、福祉や教育といったソフトに充てるお金は恒常的な支出であり、長期の借入金で賄うべきものではないということです。
以上、政策目的に応じた公共事業の必要性やハードの資金をそのままソフトに回すべきではないという私の指摘について、県土整備部長、総務部長、いかがお考えでしょうか。福岡県の公共事業、また、財政の方針と照らしてお答えください。
増田県土整備部長
委員御指摘の社会資本整備の必要性でございます。
県内における社会資本整備、まだまだ必要だと認識をしておりまして、要望も依然として多くいただいているところでございます。基幹的な道路から生活道路に至るまでの整備であったり、今後は維持管理も適切にやっていく必要があります。それから、災害の一刻も早い復旧、防災性の向上など緊急性の高い事業を早期に完成させるということも必要かと考えております。
また、先ほど来お話もありますけれども、公共事業は地元を中心とする雇用や景気を下支えするという役目も果たしておりますので、このようなことから、今後とも社会資本整備の計画的な実施が必要と考えているところでございます。
山野総務部長
公共事業の必要性、また、その財政の方針と照らしての考え方ということでございました。
公共事業の必要性につきましては、ただいま県土整備部長がお答えしましたとおり、私もきちっと事業量を確保していくということが重要であろうなという認識でおります。
それで、財政の観点で申しますと、委員の御指摘にありましたとおり、一般行政経費を、これを長期資金で賄うべきというのは、これは財政のあるべき論、賄うべきではないというのは財政のあるべき論として言われる考え方でございます。そういったものは税収で恒常的に財源を確保すべきだという考え方でございます。
ただ、現実には、御案内のとおり、いわゆる公債、国債の中には、四条債と言われます通常の建設国債ですね。それから、特例公債、これは赤字国債と言われますけれども、総額で四十四兆のうち、その建設国債と言われるのは六兆しかないわけでございます。残り三十八兆、建設国債の六倍ぐらいは、これは赤字国債で賄っておるわけであります。そうすると、財政のあるべき論といわれる論からすると、極めて乖離した現状にあるわけでございまして、非常に特例債の発行がふえております。
したがいまして、こうした現実を見ますと、財政のあるべき論のもとで赤字国債をばさっとやめて、一般行政経費、ソフト的な経費をやめるというのも、これは現実的なことではないかなと私は思っております。
そもそも赤字国債は、平成六年度以降継続的に発行されているわけでございますが、ここ二年ばかり、相当発行額はふえてございます。当初予算で言いますと、二十一年度が二十六兆、二十二年度が、先ほど申しましたとおり三十八兆。これはなぜかと申しますと、どのような政策を展開すべきかというのは、私は議論について口を挟む立場ではございませんが、財源論的に申しますと、国税収入がこの一年間で当初予算比で九兆円落ちております。これが非常に大きかったと思っております。
これは、私どもの平成二十二年度の当初予算でも同じような状況でございます。臨時財政対策債が相当増加しているわけでございます。その財政の観点で申しますと、この税収を戻していくことが、私ども極めて肝要であろうと。したがいまして、県としましては、中小企業対策、雇用対策、これを講じるとともに、県単公共事業の事業費を伸ばして、公共投資を通じて景気の下支えを行うという考え方で予算編成をしたところであります。
鬼木 誠委員
両部長とも県の部長としてすばらしい答弁をいただきました。本当にそうですね。社会資本の整備も必要ですし、県の経済、税収の回復ということが必要である。そのために頑張るということで、力強いお言葉をいただきましたが、とりもなおさず、私の指摘、ハードの資金をそのままソフトに回すべきではない。そして、部長のおっしゃった景気の回復、成長戦略が必要だ。そういう中で私が指摘したいのは、これだけ赤字国債がふえ続けている中で、子ども手当の実行、これは日本の財政を本当にがたがたにすると考えております。
ですので、両部長には力強い答弁をいただきましたが、この指摘をもって全国知事会長である麻生知事に子ども手当について伺いたいと思います。知事保留を取り計らいお願いいたします。

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