平成22年度 予算特別委員会「温室効果ガス25%削減について」
- 鬼木 誠委員
- 自民党県議団の鬼木誠でございます。温室効果ガスの二五%削減について質問いたします。
- きのうの質問の中で、今議会、県の姿勢として私が問うていきたいこととして、働かない人が得をする社会か、まじめに働く人が報われる社会かと福岡県の姿勢を問いたいということでテーマを掲げさせていただきましたが、ここで言うまじめに働く人というのは、私は日本のことを指しているつもりでございます。
- 日本は世界に誇る技術で本当に省エネを心がけてきまして、環境技術も世界に誇るべきものを持っている、そういう努力をしてきた国でございます。そういう中で、京都議定書におきまして日本は温室効果ガスを六%減らそうという目標を掲げて、それでもかなり厳しい目標だと言いながら、それはこれまでにかなり省エネを進めてきたからなんですね。その上で六%下げようというのを目標に掲げてやってきたわけなんですが、昨年十二月、鳩山首相が日本は二五%削減するんだということを国際社会に約束されたんですね。私はこれは日本の企業活動を停滞させる、生産を減退させることになるのではないかと心配しているんですが、まずは昨年十二月の鳩山首相がコペンハーゲンのCOP15で表明した温室効果ガスの削減について御説明ください。
- 北原環境政策課長
- COP15──正式には気候変動枠組み条約第十五回締約国会議でございますけれども、ここで我が国は一九九〇年比で二〇二〇年までに二五%の温室効果ガスを削減することを表明しております。ただし、その前提としてすべての主要国による公平かつ実効性のある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意が必要ということもあわせて表明されております。
- 鬼木 誠委員
- 概要はわかりました。それでは、首相が表明されたこの削減目標の、これは国際的な位置づけはどういうものになっているんでしょうか。公約になるんでしょうか、単なる口約束なんでしょうか、拘束力はあるものなのでしょうか。
- 北原環境政策課長
- COP15におきます日本の削減目標の表明は、日本の考え方を世界に発信したものと考えております。なお、日本はCOP15でのコペンハーゲン合意に基づきまして、本年の一月二十六日に削減目標を提出済みであります。この目標は今後さまざまな議論を経ましてCOP16等での議決を目指すものでございます。現在のところ法的拘束力を有していないと考えております。
- 鬼木 誠委員
- 課長が現在のところ法的拘束力を有していないと考えていても、国際社会はそうとっていないかもしれないわけですね。これを盾にとって日本は減らしなさいと強要されることもある。それが国際社会の厳しさだと思うんですね。日本だけが高い目標を設定し、これまでこんなに省エネに努めて、絞りに絞って温室効果ガスを出さないようにしてきたにもかかわらず、さらに六%から二五%出すなというハードルを設定される。日本だけが高い目標を設定して、国際競争力を低下させるのではないかと懸念しておりますが、他の国の参加状況はどうでしょうか。
- 北原環境政策課長
- 条約事務局などによりますと、三月十日までにコペンハーゲン合意に基づいて削減目標を提出した先進国は欧州連合二十七カ国を含む四十二カ国・地域であります。また、途上国で削減コードを提出いたしましたのは、ブラジル、南アフリカ、インド、中国を含みます三十二カ国でございます。合計で七十四カ国の国・地域でございます。
- 鬼木 誠委員
- 参加国状況を説明いただきましたが、中でも京都議定書を批准していないアメリカや世界第二位のGDPを持つようになるであろう中国、そしEUあたりはどういう状況になっているんでしょうか、詳しく御説明ください。
- 北原環境政策課長
- 主要国の削減目標ということでございます。九〇年比で見ますと、アメリカが三ないし四%の削減目標になります。EUにつきましては、同じく二〇ないし三〇%の削減目標ということになります。それから、中国につきましては、GDP当たりで二〇〇五年比で四〇ないし四五%削減するということが表明されておりますが、中国は高い経済成長を続けているということを考慮しますと、目標を達成しましても、排出量は増加する可能性が高いと思われます。
- 鬼木 誠委員
- 中国は排出量が増加する可能性が高い。アメリカは三、四%の削減しかしないという状況ですね。もちろん私もこの温室効果ガスを削減したくない、努力したくないわけではないんですね。本当に頑張らなくてはいけないし、世界じゅうで足並みをそろえて温暖化を防がなくちゃいけないと思っているんですが、ただ国際社会のルールの中で努力した者がばかを見るような進め方に不服なんですね。カーボンオフセットや環境技術によってCO2を減らすことができなければ目標値に届かない分は生産量を減らすか排出権取引でお金を払うかしか、この二つしかない方法なんですね。二つしかない。つまりGDPを縮小させるか罰金を払うかしかないんですね。日本の産業界への影響、非常に大きいと思うんですが、日本の国際競争力、国力を損ねることにもならないかと懸念するんですが、いかがでしょうか。
- 北原環境政策課長
- この削減目標につきましては、産業界では国が政策決定を行うに当たって、我が国の経済や雇用、国民生活への影響を明示し、幅広く国民の声を聞き、その理解と合意を踏まえて温暖化対策を策定するよう主張しておりまして、これらのことに十分配慮する必要があると考えます。なお、二五%の削減目標は産業界を初め広く国民生活に大きな影響を与えるものと考えております。しかしながら、現時点では削減のための具体的な取り組み内容が明確でございませんので、産業界への具体的な影響を評価することは現在のところ難しいと考えております。
- 鬼木 誠委員
- 県内の企業でも電力や運輸、製鉄、製造業などそうそうたる基幹産業や生活インフラ企業が影響を受けると考えられます。そこも生産量を減らしたり、罰金を払うことになるのでしょうか。
- 北原環境政策課長
- 二五%削減のために今国において検討されております排出量取引制度がございますが、これは企業の排出量の総量に対して上限を定める総量規制方式を基本としつつ、生産量当たりの排出量を制限する減退方式も検討することとされております。生産調整や排出権購入を行うかどうかは、排出量取引の手法によりまして異なってまいります。それぞれの手法にメリットやデメリットがございますので、今後幅広く議論が行われるものと期待をいたしております。
- 鬼木 誠委員
- まだその方法論については決まっていないということなんですが、多分どの企業も戦々恐々していると思いますよ。結局国全体で二五%のCO2が減らせなければ、その分GDPを縮小させるかお金を払うしかないわけですから、じゃあそれをだれが払うのか。個別の企業に転嫁されるかもしれないし、それを国、国民の税金で支払うのかという話になりますんで、やっぱり何とか方式がありますと幾ら言ったところで、結果としてはCO2が減らない分は日本の生産量を減らさなくちゃいけない、お金を出さなくちゃいけないという結果になるんですね。
- 脊戸環境部長
- いわゆる一九九〇年比でもって二〇二〇年マイナス二五%というのは、いわゆる前提条件がございます。その前提条件を踏まえて国際的に公平であるというのが非常に大きなポイントだと思いますし、産業界を含めて国民の理解を得るということも重要だと思っております。私どもとしては温室効果ガスを削減することが非常に重要な課題でございますし、これは避けて通れない。こういった中で、このことが産業界にとってもプラスになると。そのことが経済の発展につながり、そのことによってまた新しい環境対策が生まれると。いわば環境と経済が両立できるということができるように、私どもは期待をしておるところであります。
- 鬼木 誠委員
- 先ほどおっしゃった国際的な公平性というところがまさに私も大事だと思うんですね。国際的に公平なルールの中で減らしていきましょうということであれば本当に積極的にやっていく、日本だけ、正直者だけがばかをみるということではないと思うんですね。
先ほど高橋委員の議論の中にもあったんですが、環境先進国としてのリーダーシップをという話がありました。本当にそれが日本に与えられる役割だと私も思います。ただ、そこで真っ先に二五%減らしますというのがリーダーシップなのかと、それが削減できなければ罰金を払いますというのがリーダーシップなのかと。私はそうではないと思うんですね。日本の持つ環境技術を持って世界に貢献して温室効果ガスを減らす取り組みに協力しますと、そういう貢献の仕方があってもいいんじゃないかと思うんですね。それを六%でも必死だというのに、二五%減らしますと約束してくるというところは本当にそれでいいのかという思いでございます。
そこで、通産省出身の麻生知事にも御所見を賜りまして、知事会長としても今後日本が果たすべきCO2削減のあり方、そういう議論もさせていただきたいと思いますので、この質問、知事保留質疑の取り計らいを委員長にお願いいたします。
- 江口吉男委員長
- ただいま鬼木委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。なお、知事保留質疑は三月二十四日に行う予定でありますので御了承願います。
- 鬼木 誠委員
- ありがとうございました。
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