福岡県議会(平成二十年)二月議会:一般質問「県産品購入促進運動について」「NPO・ボランティアとの協働の推進について」「ホームレス自立支援について」


県産品購入促進運動について

こんにちは。自民党県議団の鬼木誠です。

原油や小麦の価格高騰が国民生活を直撃しています。その背景には世界経済の大きな変化があります。アメリカでは国を挙げてとうもろこしからバイオエタノールを作り始めました。中国・インドは経済発展とともに莫大な人口の食糧消費・エネルギー消費が進んでいます。いよいよ世界は資源と食糧の激しい獲得競争に突入しています。

そのような中、先の中国ギョーザ事件では日本国民の食への意識が高まりました。食の安心安全、そして食糧自給率向上の必要性についての国民意識が、これほど高まったときはかつてなかったのではないでしょうか。

食糧自給のためには生産量が増えることが必要です。生産量が増えても農家が食べていけるためには、その販路が必要です。先日のわが会派の代表質問では輸出促進策について質問しましたが、私は内需の拡大について質問したいと思います。

安心安全な食品を求める消費者の意識向上、また自給率を高めなければならないという国民の食糧安全保障の意識向上を受け、今こそ県産農産物の販売促進に打って出るべきときだと考えますが、知事の見解をお聞かせください。またその手法として県産品購入促進運動などをやってみてはどうかと思いますがいかがでしょうか。

今週の金曜日はいわゆるホワイトデーです。バレンタインデーにチョコレートをもらった方はお返しをするとされている日です。知事も、義理とは言いません、心のこもったチョコをたくさんもらわれたことと存じます。そこでひとつ提案があります。ホワイトデーでのお返しに「あまおう」をあげるというのはいかがでしょうか。2月〜3月はいちごが最も甘い時期であります。中国では正月に餃子を食べるように、福岡では3月にいちごを食べるというのもいいかもしれません。ホワイトデーはお菓子業界が流行させたものとも聞きますし、最近目につくようになった恵方巻きを食べる習慣もコンビニ業界が販売促進戦略として流行させているとも聞きます。遊び心を取り入れて商業イベントを作るぐらいのやる気が必要だと思われます。

NPO・ボランティアとの協働の推進について

次にNPOやボランティアとの協働について質問します。

知事は今議会冒頭の議案説明において「新しい社会づくりに果敢に挑戦することにより、元気で生活満足度の高い福岡県をつくってまいります」と宣言されました。その中で、NPOやボランティアなど「新しい時代の公」を担う多様な主体が活躍する社会づくりが重要となっていると説明され、重点施策の柱のひとつとして掲げられました。

多様化する行政へのニーズ、そして厳しい財政状況の中で、どこまでのことを行政が税金を使ってやるべきものなのかという線引きは難しくなってきています。細分化される県民の要請にきめ細かく対応していくことには金銭面でも労力面でも限界があります。そうした行政の限界をカバーしているのが民間の自主的な取組です。NPOやボランティアといった民間団体のノウハウの蓄積やマンパワーは、行政にとっても見過ごすことのできない貴重な公共資源となっています。こうした団体とどのような関係を築いていけるのかがこれからの協働社会の課題であると思われます。

新年度予算にはNPO協働推進プランの策定費やNPOとの協働による県民サービス向上事業の実施経費が計上されています。新社会づくりに向けた知事の意気込みが感じられるところです。NPOは県が行き届かない部分を補完し、県はNPOを側面支援するという協働の関係は、「新しい時代の公」として華々しく位置づけられました。

しかし、私はここに一点だけ心配があります。それは、非営利という美しい名の下に、いいかげんな、もしくはいかがわしいNPOも少なからず存在しているという事実です。世の中には、いかにも美しい建前を掲げながら悪いことをしているという輩が少なくありません。NPOは設立の用件さえ満たせば誰にも簡単に作ることができます。しかもそれぞれのNPOが何をしているのかのチェックはありません。もし県が悪質なNPOにお墨付きを与えれば、善意の県民が騙されることにもなりかねません。行政がNPOと協働していくためには、そのNPOの活動が健全なものか、内容の精査が必要不可欠になってきます。公益法人改革でも法人の公益性の認定が論点となりましたが、県が協働のパートナーに選ぶNPOの選定も慎重になされなければなりません。

そこでお尋ねします。NPOなど各種団体との協働において、県はその団体の社会性・公共性を含め、どのような基準と方法でパートナーとなるNPOを選定するのでしょうか。

また新年度で県は、NPO協働推進懇話会の設置や意見交換会の開催などを通じてNPO協働推進プランを策定するとのことですが、いったいどんなプランができるのか判然としません。どういう目的でどのような視点のもとに検討しようとされているのかお答えください。

ホームレス自立支援について

最後にホームレス自立支援について質問いたします。

私自身平成16年6月議会にてホームレス問題について質問しました。しかしながらなかなか解決に向けて取り組みが進展していかないのが現状です。

アジアの玄関口を標榜する福岡が、空港を降り立つとすぐに見えてくるブルーのテント小屋、駅に降り立つと目に飛び込んでくるホームレス、これではいけないのではないでしょうか。特にホームレスがその一部を占有している大濠公園や春日公園といった地区は県有地であります。県民憩いの場に住み着くホームレスに対する県民感情は強硬なものであり、「県は何をやっているんだ」と言われております。知事は本県のホームレスの現状をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか、お答えください。

「この場所から追い出せ!」という強硬な態度だけではこの問題が解決しないこともわかっております。過去には、120万円かけて強制代執行しても50m先に移動しただけという例もあるそうです。ホームレス者が野宿から脱出しなければ解決はありません。行き先を作るしかないのです。私は、短期間ホームレス者を受け入れ自立支援を図る施設が有効なのではないかと考えています。仮の住処を作り、住所を取得し、職に就く。まずは住処が必要だというハウジングファーストの考え方です。

ここで、民間での新たな試みを紹介させていただきたいと思います。

NPO法人北九州ホームレス支援機構と社会福祉法人煌(きらめき)とが連携し先ほど述べたような自立支援施設を福岡市内に作ろうとしています。ホームレス者を受け入れる施設を更地から建てるとなると近隣住民から反対運動が起こることも予想されるため、もともと寮や社宅だった30戸程度の物件を購入もしくは賃貸し、年間60〜70名のホームレスを自立させようという取組です。物件の取得資金は社会福祉法人のほうが拠出します。この社会福祉法人は生協を母体としており、生協が組合員から福祉目的で募った寄付金による基金を持っています。その目的にあった基金活用をしようということでこのたびの自立支援施設の立ち上げに至りました。

運営を任されるNPOは、ホームレス者に対する炊き出しから巡回相談、自立支援相談から就労支援、就労後のアフターフォローまで一連の活動全てに取り組んでいます。これらの活動が同じ顔ぶれで行われることでNPOとホームレス者との間に固い信頼関係が生まれています。入り口から出口までトータルサポートによって再野宿化させない態勢を築いています。このNPOは北九州市においてホームレス自立支援センターの運営実績があり、そこでのホームレス者の自立率は9割を超えているそうです。東京の類似施設では自立する者が施設入居者の5割、さらに職に定着できた者はその2割ということですから、このNPOが築いてきたノウハウには学ぶべきものがあると思われます。

県として、これらの団体と協働でホームレス自立支援に取り組んでみることを検討されてはいかがでしょうか。ホームレス施策の、また官民協働のリーディングケースとなりうるのではないでしょうか。知事の見解をお聞かせください。

福岡県のホームレスの9割以上は政令市に居住しています。ホームレス行政は基礎自治体の仕事だということになれば県は何もしないのかということになりますが、ホームレス行政における県の役割はどのようなものだと知事はお考えでしょうか。県がこれまでに行ったホームレス自立支援担い手育成事業や巡回相談事業の成果は、今後にどうつながるのでしょうか。お答えください。

ホームレスはハウスレスとは違います。単に家のない人ではなく家庭や社会から孤立した人です。ホームレス自立支援とは、社会からはじき出された人を社会に戻す取組です。社会からはじきだされたホームレスの存在は、はじきだされた本人も、社会にとっても不幸なことです。長く取り組む中でこの問題の解決が大変難しいことはつくづく感じておりますが、なんとかしなければならないということも強く感じております。知事の目指される「元気で生活満足度の高い福岡県」は、まさに「新しい社会づくりに果敢に挑戦することにより」実現されるのではないでしょうか。知事のご理解と積極的な取組を期待して質問を終わります。

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知事答弁

県産農産物の販売促進について
食の安全への関心が高まっている中、新鮮で安全・安心な県産農産物を県民の皆さまに提供し、その良さを理解していただくことが重要であると考えます。このため、減農薬栽培による認証農産物の生産拡大や直売所を活用した地産地消の推進など、生産者の顔の見える販売を積極的に進めてまいります。
県産品購入促進運動について
県内各地で実施されるイベントや親子料理教室などを通じ、美味しく、高品質な県産農産物の良さを県民の皆さまにPRしてまいりました。また、新たに、農林水産業の関係団体と流通業者などからなる販売対策会議を設置し、これまで各団体ごとに個別に展開してきた事業の連携を図るなど、総合的かつ効果的な販売促進に努めてまいります。
協働のパートナーとなるNPO等の選定について
選定に当たっては、まず、有識者を含めた審査会において、提案の妥当性、実施効果並びに団体の実績や実施体制を踏まえた事業遂行能力等について審査いたします。その上で、公開プレゼンテーションを実施し、慎重に決定することとしております。
協働を推進する新たなプランの策定について
平成14年度に協働に関する基本指針を策定し、提案活用事業などを実施してまいりました。策定から5年が経過し、NPO・ボランティア団体の運営基盤や情報発信力の強化等の課題も見えてまいりました。このため、NPO・企業関係者及び有識者からなる検討会で、これらの課題について検討し、NPO等との協働をより一層進めるための新たなプランを策定するものであります。
本県のホームレスの現状について
都市部を中心にホームレスが存在し、その約9割は両政令指定都市に集中しており、この方々が野宿生活から脱し、自立した社会生活を営めるよう支援することが必要であると認識しています。
ホームレスを支援している民間団体との協働について
ホームレスの自立支援のためには、実情に精通しているNPO等の民間団体との連携・協力が不可欠であると考えております。これまでも、県の事業を委託するなど、官民協働の取組を進めてまいりました。今後とも民間団体の優れたノウハウを活用し、ホームレスの自立支援を図ってまいります。
ホームレス対策における県の役割と今後の対応について
県は、広域的な観点から各市が実施する施策が円滑に進むよう、自治体間の調整や各種施策の取組に関する情報提供及び地域住民への啓発広報活動を行っております。今後は、これまで実施した事業の成果を活用し、関係市や団体と連携しつつ、ホームレス問題の解決に努めてまいります。

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再登壇〜要望

まずホームレス対策に関して一点要望いたします。「基本的にはホームレス対策は基礎自治体の取組であり、県は広域調整や計画策定を担う」というスタンスはある程度理解できなくもありません。しかしながら県有地内のホームレスが何年間も放置されているのを見れば、一般県民が県の不作為を責めるのもしょうがないことだと思われます。特に福岡市は県内のホームレスの3分の2を抱えております。ホームレス自立支援推進協議会には福岡市も参加していると聞いておりますので、ぜひ連携してホームレス問題の解決を促進していただきたいと思います。

次に県産品購入運動について一言申し上げます。

隣県佐賀では方言の「ばい」と英語の「BUY(買う)」をかけて「ばいさがん運動」という県産品購入運動を県がおこなっています。人口80万人の県でもこうした内需拡大策をやっているのですから500万県民を有する福岡県、それも食の安心安全といった消費者意識が高まった今こそ県産品購入運動は時機を得た取組となるのではないでしょうか。

答弁では農・林・水産、三位一体となった販売対策会議を設置するとのことでした。これまで別々に販売していたふぐとねぎときのこを、同じルートでひとつの鍋として市場にアピールすることになります。同じく九州内には県産品を持ってテレビに出まくる知事もおられます。それは知事の本来業務ではありませんので、「いちごや鍋セットを持ってテレビに出まくってほしい」とまでは申しませんが、県民が求めているのは知事の熱意だと思います。どうか県民の先頭に立って県産品の県内消費を推進していただきますことを要望しまして質問を終わります。

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