福岡県議会(平成十六年)九月議会 代表質問

 緑友会・新風県議団の鬼木誠です。会派を代表し質問致します。
 今年の夏は例年にない暑さで眠れない夜が続きました。それに輪をかけて私達を寝不足にしたのがアテネオリンピックでした。金メダル16個を始め37個ものメダル獲得に一喜一憂したのは私一人だけではないと思います。また、本日閉会されますパラリンピックにおいても、日本選手の活躍は私たち国民に多くの感動と勇気を与えてくれました。
 4年後は北京オリンピック。アジアが一つに、世界が一つになり、平和の祭典になることを祈る次第です。

 そんなオリンピックの感動の酔いも醒めぬうちに、台風16号、18号が本県を襲い大きな打撃を与えました。被害総額は200億円を越え、深刻な事態となっています。
 被害にあわれた方々に対しまして、謹んでお見舞い申し上げます。

 まず最初に、大型台風への対応について質問致します。
 この度の16号・18号の二つの台風は家屋や人的被害のほかに、県内の農林水産業並びに、河川・道路・港湾等、多くの公共物にも被害をもたらしました。
 特に農業につきましては、県内の各地で夢つくしなどの水稲が倒伏したのをはじめ、収穫間近の果物が落下し、本年度の収穫は勿論、来年度の収穫まで影響を及ぼすことが予想されます。中には折角建てたばかりのビニールハウスが無残にも折れ曲がり潰れてしまったところもあります。
 我が会派は早速、台風被害対策本部を設置し、被災地へ調査に参りました。
 余りにも無残な状況に慰めの言葉もかけられないほど事態は深刻です。
 農作物やハウスなどの補償については、農業共済制度がありますが、果樹などは加入率が低く、十分な補償を受けられない農家も多いと聞いております。
 農産物の販売価格が低迷する中で一生懸命頑張っている農業者、中でも次の時代を担う若い人達の生産意欲が、今回の台風被害によって一気に減退してしまうのではないかと大変危惧しております。
 この度の台風被害から救済するために、天災融資法の早期発動や激甚災害の指定、農業共済における水稲損害評価の特例措置などを講じるよう国に対し強く働きかけるべきであると思います。そこでこれらをふまえて台風被害対策について知事のお考えをお聞かせ下さい。
 また、今回のような災害が発生した場合に十分対応できる農業共済制度であるべきと考えますが、知事のご見解をお尋ねします。
 また、今回の台風だけでなく、今日の農業・農村を巡る情勢は極めて厳しいものがあります。この際、「農業振興基金」の充実をはかるなど、農業者がこれからも意欲を持って農業経営に取り組めるようにすべきと考えますが、知事の所見をお聞かせ下さい。

 関連して、森林・林業問題について質問いたします。
 長く続いた猛暑や大型台風といった最近の異常気象の大きな原因のひとつに、地球の温暖化があるのではないかと思っております。
 森林には木材を生み出すほか、水源の涵養や土砂の流出防止機能がありますが、今見直されているのが地球温暖化の防止機能です。
 しかしながら、何も手を加えずに森林が機能するわけではありません。
 このような森林を適切に維持・管理するためには、一本一本植栽し、暑い季節の下草刈りや、寒い季節の除伐・間伐等を行ってくれる、担い手としての林業労働者が必要であります。
 近年、木材需要の減退、木材価格の長期にわたる低迷、林業労働者の減少・高齢化など、林業を取り巻く情勢は厳しいものがあります。そうした中、森林を整備するために必要な林業労働力をなんとか確保しよう、ということで「県森林・林業基本計画」の中にも、年間40名の新規就業者の確保が目標として示されており、達成にむけ努力されています。
 そのような中での今回の台風災害は、林業者を途方にくれさせ、やる気をそいでしまうのではないかと懸念いたしております。基本計画に加えて、円滑な復旧を行うために大勢の林業労働者の確保が必要であります。
 台風被害による林地は、枝や転倒木等で雑然となっており作業場所が不安定な状態にある上に、風倒木は重心が偏り異常な応力が掛かっているため、伐採する時に幹が裂けたり跳ね返ったりし、その処理は大変危険な作業であると聞いております。事実、平成3年の台風災害の復旧作業で死傷者が出たのは、記憶に新しいところであります。復旧作業に従事される林業労働者に事故が起こらないように、祈らずにはいられません。
 そこで、知事にお尋ねします。台風災害復旧に必要な林業労働力確保対策、並びに労働安全対策をどのように考えているのか、お答えください。また、災害復旧の状況によっては、平成3年と同様に自衛隊の派遣要請までご検討いただきますよう強く要望致します。
 今回の台風被害に当たって、知事は早速現地に出向き、被災された果樹農家などの苦しみを直接聞き取られました。こうした県民の立場を常に念頭に置いて行動される知事に対し深く敬意を表するとともに、今後とも心暖まる血の通った県政運営に努めていただくようお願いしまして台風関連の質問を終わります。

 三位一体の改革についてお尋ねします。
 平成16年度からスタートした三位一体の改革ですが、現在のところ、財源の移譲どころか地方交付税の削減のみが先行し、地方に痛みが押し付けられるだけといった印象がぬぐえません。福岡県の平成16年度予算においても例外ではなく、地方交付税159億円、臨時財政対策債267億円の削減により厳しい財政運営を余儀なくされています。
 この三位一体改革は地方の財政運営に多大な影響を与え、全国の自治体において国への遺憾の声が噴出しています。全国知事会など地方六団体は、8月24日に、来年度から二年間で約三兆二千億円の補助金を削減する案を小泉首相に提出しました。「はしの上げ下ろしにまで口をはさむ」と言われるほど地方の意思を制限してきた補助金という仕組みから脱却し、地方独自の取り組みや財政の自立に向けて踏み出すチャンスであるとも言えます。しかしその反面、国が責任を持って取り組むべき事業ができなくなるのではないか?と心配する声もあります。特に補助金削減の対象となった義務教育費国庫負担金については意見の分かれるところであります。三位一体の改革はまさに山場を迎え、大事な局面にきていることは間違いありません。

 この補助金削減案について二点、知事にお尋ねします。
 まず第一点。全国知事会案の作成において、知事の中でも補助金削減に対する賛否が割れました。痛みのみが残されるピンチという見方もあります。地方が自由裁量を持つチャンスという見方もあります。麻生知事は、現状の方向性をどのようにとらえていらっしゃいますか?また、どういう方向に進んでいくべきだとお考えでしょうか?見解をお聞かせください。またその見解にたったうえで、今後国に対してどう働きかけていかれるのかお答えください。

 次に、全国知事会のなかでも特に義務教育費国庫負担金の取り扱いについては議論が紛糾しました。教育水準の低下を危ぶむ声や、削減額の数字合わせに義務教育費国庫負担金が用いられたとの批判もあります。地方の裁量に任された独創性ある教育の実現というメリットと、一般財源化が教育費自体を減らし地方の教育レベルを低下させるというデメリットが指摘されてもいます。
 そこでまず、一般財源化する国庫補助負担金として義務教育費国庫負担金を選択することについてどのようにお考えか知事にお尋ねします。また負担金が一般財源化された場合の義務教育のあり方について、知事および教育長はどのようにお考えでしょうか?

 次に地方交付税の改革についてうかがいます。三位一体の改革において最も議論が遅れていた地方交付税の改革議論が経済財政諮問会議において始まりました。
 その中では昨年からの方針である「地方交付税の総額抑制」と「財源保障機能の縮小」が継続されています。一方その逆に全国知事会は「税源移譲により自治体の財政力格差は拡大するため財源保障機能は必要である」と主張しています。地方交付税の総額は2000年度から2004年度までの五年間で約2割減少しており、全国で悲鳴の声があがっています。国の財政悪化の負担が急激に地方へ転嫁されている印象がぬぐえません。産業の乏しい市町村では「税源がないのに交付税だけは減額される」という非常に強い危機感があります。そこで知事におかれては、国に対し地方交付税の財源調整機能と財源保障機能を確保するため更に強く働きかける必要があると考えますが、いかがでしょうか?

 来年度の予算編成についてうかがいます。
 国および地方が抱える借金は合わせて700兆円を越え、その財政状況を危ぶむ声も聞こえてきます。最後は国が面倒をみてくれるという発想はもはや捨て去るべきだと言えるのではないでしょうか。
 今福岡県に必要なのは国まかせの財政運営ではなく、福岡県独自の財政再建の取り組みです。補助金が削減され税源が移譲されればなおさら県独自のお金の使い方ができるようになります。分権がすすむほど、地方の運営の手腕が問われます。政策に優先順位をつけ、費用対効果を吟味して限られた財源を割り振らなければなりません。
 公共投資による景気刺激策も必要ですが、その投資の必要性・緊急性・経済合理性の検証がなされ、県民の理解に値するものでなければなりません。これからはじまる来年度の予算編成にむけ、知事の方針をお答えください。

 国の予算編成が始まり、2005年度政府予算の概算要求が固まりました。その中で福岡県に関するもの二点について質問いたします。
 まずは福岡空港の総合的調査費についてです。福岡空港については新空港の建設も含めて総合調査が続いていますが、その進捗状況はどうなっているのでしょうか?そもそも新空港を作るのかどうか?作るのであればその候補地はどの程度絞られているのか?現状の進捗をお示しください。
 必要か不必要か、そういった議論をここで争うつもりはありません。ただ、国への予算要求が不可欠な事業である以上、先を見越した着実な進捗が必要です。新空港が必要かどうかという議論をまとめ、必要であるならばそのもっとも合理的な立地や設計や工法について議論し、いちはやく国へ要求していかなければなりません。また毎年多額の調査費がついている以上、その進捗を明示していくことが必要であると考えます。

 次に九州大学学術研究都市構想の推進についてです。
 九州大学の新キャンパスへの移転は、「21世紀における産学官が協力した街作りの先導的なモデルプロジェクト」として計画されています。しかし、国の予算削減などを理由に移転完了時期が当初計画より五年遅れの2019年度となることが決まりました。私は移転およびそれに関連した混乱の中で、九州大学のレベルが低下するのではないかということを懸念しております。
 現在福岡県が力を入れているナノテク産業も、九州大学が持っている有機化学に関する世界トップレベルの研究実績が、その土台となっています。大学の高いレベルの知識の蓄積が地域の産業を推進する基礎となっているのです。
 また同様の例として水素エネルギー戦略会議の事例が挙げられます。9月補正予算に挙げられております「福岡水素エネルギー戦略会議」は、環境に優しい次世代のエネルギーである水素エネルギーの開発研究プロジェクトです。トヨタ自動車や新日鐵といった日本を代表する企業をこの会議に招致することができました。一地方都市がこのような世界的なテーマに取り組み、しかも、他県に先駆けて環境・エネルギー研究の最先端を行く企業を招致できたのも、水素エネルギーに関する九州大学の研究実績の蓄積があったからこそであると聞いています。この研究が国の「21世紀COEプログラム」に全国で唯一採択されたことは、その価値を雄弁に物語っています。
 地方間競争の時代に向けて、九州の頭脳レベルの維持向上は必須の課題であります。人材流出の防止のためには九州大学のレベルを東京の大学に負けない魅力あるものにしなければなりません。全国で大学の移転事例がありますが、大学がローカルへ移転するとレベルが下がるという傾向が顕著であります。こういった事態を回避するためにも、都心部へのアクセスといったインフラ整備や、魅力ある街づくりが必要です。
 こうした事例を踏まえたうえで、九州大学学術研究都市構想に対する知事の意欲をお聞かせください。また、移転や独立行政法人化などに伴う混乱のなかで、九州大学のレベルの低下がないよう県の支援を要望したいと思います。
 また、知事におかれては九州大学をはじめ他の大学にも、バイオやシステムLSI、あるいはナノテクノロジー、ロボットなど個別のプロジェクトごとに積極的に県内大学との産学官連携を進めておられます。これら大学が有する力を発揮させ、更なる大学の発展や新産業創出を実現するためにも、大事な財産として守り育てていただきますよう併せて要望しておきます。

 次に、農政問題についてお尋ねします。
 昨年十二月、韓国を皮切りにマレーシア、フィリピン、タイなどの、東南アジア諸国とFTA交渉が開始されました。
 今後はさらに安価な輸入農産物の増大が、本県農業にも大きく影響を与えることが懸念されます。
 とりわけ本県と地理的に近い韓国とのFTAを想定した場合、本県農業に少なからず影響が出るのではないでしょうか。
 韓国とのFTA締結が本県農業に与える影響について県としてどの様に分析されているのか、知事にお尋ねします。
 一方、海外には価格が高くてもおいしく高品質な農産物を求めているマーケットが存在することも事実です。
 県では、既に香港や台湾の富裕層をターゲットに、おいしく高品質な本県農産物を積極的に売り込んでいく試みに取り組んでいますが、相手国の消費者に定着するためには、ニーズに的確に対応するなどきめ細かな対応が必要だと考えますが、知事の考えをお尋ねします。

 次に、園芸農業の振興についてお尋ねします。
 本県では、高収益型園芸事業を平成四年度に県単独事業として創設し、積極的な園芸農業の推進に努めてきました。
 さらに平成十四年度からは、組織化が困難な地域の農業者が、規模拡大や新技術の導入等を積極的に進める場合、個人でも事業に取り組めるよう採択要件を見直すなどの画期的な取り組みを実施され、多くの担い手の励みとなったことは非常に高く評価できます。
 本県農業がこの県単独事業により、生産性の高い園芸農業に確実にシフトしてきたことは間違いのない事実です。
 しかし、先ほども述べましたように、本県園芸農業が、安い輸入農産物や他産地に対抗し厳しい競争の時代に打ち勝つには、大規模な園芸産地を育成することはもちろんですが、中山間地域や規模の小さな産地においても、生産されていない新規園芸品目の導入や、新鮮・おいしいなど特長ある農産物の直売など、地域の特色を生かした創意工夫ある新たな取り組みに対する支援が必要です。
 そこで知事にお尋ねします。
 今後、あまおうによるイチゴ生産日本一の奪還、博多ブランドの強化や新たな園芸産地を育成するためには、引き続き園芸農業振興に対する力強い支援が必要と思いますが、知事の見解をお尋ねします。

 農政問題の最後として、農村女性対策についてお尋ねします。
 最近、農業関係で明るい話題は、農村女性を抜きにしては語ることができません。
 県内各地で一生懸命に、また、粘り強くやって起業化などに成功しているところは、必ずといって良いほど女性の力が発揮されています。
 県内の農業就業人口は約十万人ですが、その内の六割は女性ですし、女性の力が農業・農村を大きく支えていると言っても過言ではありません。
 県では、農業・農村の活性化の牽引役となっている農村女性リーダーの活動を促進するため「福岡県女性農村アドバイザー」に、平成三年から現在までに三百七十七人が認定され、これらの女性リーダーの方々が、それぞれの地域で、審議会委員や農業委員として活躍されています。
 加えて、農協の女性理事数は、四十八名と本県が全国一とのことであり、まことに頼もしい限りです。
 さらに、農村女性が中心となって育ててきた農産物直売所は、県下二百五十カ所以上、年間売上金額は百四十億円を突破するなど、今や地域住民にとっては無くてはならない存在となっています。
 直売所において、農村女性が直接消費者の声に耳を傾け生産や販売努力を積み重ねてきたことが、近年、直売所が大きく飛躍した要因ではないでしょうか。  農業・農村が、輸入農産物の増加や景気低迷に苦しむ中で、地域農業振興の起爆剤となり得るのは女性パワーであり、そのためにも、行政の主体的な取り組みと支援が何よりも重要であると考えます。
 そこで知事にお尋ねします。
 やる気のある農村女性に対して、どの様な支援策を実施されているのか、また今後、農村女性の役割をどう位置づけ、これをどの様に支援していこうと考えておられるのか、知事の見解をお尋ねします。

 次に環境問題についてお尋ねをします。中でも喫緊の課題となっております産業廃棄物問題にしぼって質問いたします。
 経済活動の進展に伴い、各種の事業活動から排出される県内の産業廃棄物の発生量は、依然として年間一千万トンを超えており高水準で推移しています。
 また、産業廃棄物の資源化率は約四割程度に留まっております。「産業廃棄物をできるだけ発生させない」、「発生した産業廃棄物はできるだけリサイクルを推進する」、「どうしても発生する産業廃棄物は適正に処理する」という循環型社会の実現が重要な課題となっております。
 このどうしても処理をしなければならない産業廃棄物の適正処理を推進するためには、環境対策に配慮した処理施設による適正な処理の確保が不可欠であります。しかし現実には、一部の心ない者によると思われる悪質な不法投棄が後を絶たず、また、安定型処分場を中心として県下各地で施設の設置及び運営をめぐって紛争が多発するなど、重大な社会問題となっていることは既に御承知のとおりであります。
 産業廃棄物の適正な処理を推進することは、生活環境や自然環境を保全するだけでなく、産業経済の健全な発展を確保するうえでも、最優先に取り組まなければならない課題であることは、言を待たないところであります。
 これまで、県においては、環境部に監視指導課を設置するとともに現職警察官を配置するなど監視指導体制の強化を図るとともに、処理施設の設置者と周辺住民との紛争の未然防止等を目的としたいわゆる紛争予防条例を制定するなど、それなりに評価すべき対応を図られてきております。
 しかしながら、これらの各種の施策にもかかわらず、産業廃棄物処理施設をめぐる紛争は未だ解決が図られていないのが実情であります。
そこで、知事は、安定型処分場をめぐる紛争についてどのように認識し、対応されるのかお尋ねします。
 産業廃棄物処理施設の設置については、廃棄物処理法で規制等が行われております。県によれば法の要件に適合していれば許可せざるを得ないとのことでありますが、現実には県下各地で種々のトラブルが頻繁に起こっており、こうした状況を見据えれば、法制度そのものに重大な欠陥があると断じざるを得ません。  早急に必要な法の改正を実現すべく取り組みを強化すべきであると考えます。
 この点についての、知事の見解をお尋ねします。

 次に障害者福祉問題について質問します。
 ノーマライゼーションという言葉の通り、障害者も何の不自由もなく普通の人と同じように生活していけるということは、21世紀の日本の社会に必要なことであります。
 平成15年4月1日から障害者福祉施策の大部分が措置制度から支援費制度に変わりました。これは、わが国の障害者福祉施策の根底を大きく変えるものであります。障害者がどのようなサービスを利用しどのように暮らしていくかについて自ら選択し決定する。これが支援費制度の眼目であります。このことにより、自ずから利用者本位、地域中心に施策の重点を移していくことが必要となります。
 そこで、知事に質問いたします。支援費制度が始まり、一年以上が経過したわけですが、その利用状況は制度開始時に比べ本県ではどのようになっているのでしょうか。また、この制度の本来の趣旨からして利用者が使い易くなっていなければなりませんが、今までのところ利用者からの苦情や改善の要望などがあるのか、あるとすればどのような内容があるのかお示しください。
 支援費制度のねらいは、障害者が地域で安心して自立して生活をしていくことであります。そのためには、本人の意向を最大限尊重し、どのようなサービスを利用すればいいのかまた、サービスの組み合わせをどのようにしたらいいのかを専門的にアドバイスする人、つまりケアマネージャーの存在が大変重要になってまいります。しかし、現状では障害者ケアマネジメントが法定化されておりません。
 わが県では現在、このケアマネジメントはどのようになっているのか。また、どのようにケアマネージャーを育成し、体制整備していくのかお答え下さい。

 この項の最後にスペシャルオリンピックスに対する支援について質問いたします。
 スペシャルオリンピックスは、知的発達障害のある人が日々のトレーニングと競技会を通じて、自立と社会参加の達成をしていくことをサポートする国際的なスポーツ組織です。160の国と地域、100万人のアスリート、75万人のボランティアが日常のスポーツ・トレーニングに参加をしています。
 日本では、30都道府県で3200人を超えるアスリート、16500人を超えるボランティアが活動をしています。そして、世界大会が夏季・冬季ともにオリンピックのように4年に1回開催されます。2005年の2月26日〜3月5日まで、アジアで初めて第8回冬季世界大会が長野県で開催されます。
 ぜひ、本県といたしましてもこの大会の広報、啓発を積極的に行っていくべきであると考えますが、知事はいかがお考えでしょうか。
 また、この大会を盛り上げるために、500万人トーチランがおこなわれることになっています。わが福岡県でも11月3日に実施されるわけですが、ぜひ知事はじめ県庁職員の方の積極的な御参加を要望いたします。

 教育問題について、質問をします。
 まず、市町村独自の小・中学校教員の採用についてであります。
 市町村立小・中学校の教職員は、市町村の職員ですが、現行制度上、いわゆる県費負担教職員制度としてその給与は都道府県が負担し、その任免も政令市を除き都道府県の権限とされております。
 この特例として、平成15年度から、構造改革特区において市町村が独自に給与を負担して市町村立小中学校の教職員を任用することが可能な「市町村費負担教員任用事業」が行われており、平成16年度現在、全国で18の市町村において125人が市町村費教職員として任用されています。
 この特区の目的は、市町村が独自の判断で地域の人材等を教員として任用することにより、住民のニーズや地域の特性に応じた学校教育を推進しようとするところにあります。具体的な取り組み例としては、

などがあげられます。
 ここで、市町村の実情に応じた教員採用の良い例として、市町村費負担ではありませんが、長崎県立国見高校を挙げてみたいと思います。この高校の小嶺忠敏校長は、長年に亘り国見高校に勤務しながらサッカーの監督を続け、サッカーの各種大会で優秀な成績を修めて来ました。このことが、学校のみならず地域全体の活性化に大きな貢献を果たし、いまでは高校サッカー=(イコール)国見とまで全国で認識される程になり、町の人たちもそれを大いに誇りにしていると聞きます。スポーツによって地域の活性化が図られた市町村の良い例にあたります。
 私は、現在の県費負担教職員制度が県内の教育の機会均等及び教育水準の維持向上に果たしている役割を否定するものではありませんが、それを土台としつつ、市町村が独自に教職員を採用することで、その地域の特性に応じた教育を推進することはもとより、個性的な人材を長期的・計画的に活かすことができると言う点ではさらに期待できる効果があるのではないかと考えております。
 聞くところによると文部科学省は、この特区事業の枠をなくし、全国展開を認める方針であるとの新聞報道がなされております。
 そこで、教育長にお尋ねします。この市町村独自による教員採用制度について、県教委としての所見と方針をお聞かせください。

 次に、本県のスポーツ振興についてお尋ねします。
 今回のアテネオリンピックにおける日本選手団の活躍の陰には、国が平成13年に設立した国立スポーツ科学センターにおいて、ライバルになると思われる各国選手と日本選手の競技力を科学的に分析し、その結果を活かしたトレーニングを行ったことがあげられます。水泳平泳ぎで2冠に輝きました北島康介選手に代表される各選手の健闘振りは、まさに指導者や競技団体とこれら機関との連携による結果であり、諸外国も注目をしていると聞いています。
 また、偉業を成し遂げた本県出身の柔道の谷選手でありますが、幼少の頃から毎日欠かさず柔道教室に通い、1日何時間も練習に励むなど、本人の弛まぬ努力と、そして柔道の楽しさ、また厳しさを教えてくれた、指導者や仲間の中で育ったことが、現在の谷選手を支えていると聞いています。
 このようにトップアスリートの育成を考えてみますと、本人の才能はもちろんのこと、そういった優れた才能を持つ子供を早期に発掘し、スポーツ科学に裏付けられた適切な指導をし、育成していくことが重要であると思います。
 昨年、本県では、「県民のいきいきとしたスポーツライフの創造」を基本理念とする「福岡県スポーツ振興基本計画」を策定され、その中で「スポーツによる自己実現の支援と県民を元気づけるトップアスリートの養成」を掲げて、国民体育大会8位以内を目標に地域や学校、そして競技団体等と連携して諸施策に取り組んであると聞いております。
 谷選手や、ソフトボールの内藤選手、上野選手などは、高校時代、本県の国体選手として活躍した選手です。国体での8位以内の目標を達成することが、本県から将来のメダリストを誕生させることにつながると考えています。
 私は、今回のオリンピックやパラリンピックにおけるトップアスリートたちの真摯で熱く躍動する姿を見て、改めてスポーツのすばらしさ、意義深さを認識したところであり、本県においても、これまで以上にスポーツの振興を図ることが、心身の健康づくりや、生きがいづくり、明るく活力のある街づくりにつながるものと思います。さらに、子供たちの中には、将来、谷選手や野球の城島選手のようにオリンピック選手になりたいと思い、スポーツを始める子供も増えるなど、青少年の健全育成にも大きな貢献をするものと考えます。
 そのためには、地域のスポーツや学校の部活動を充実発展させることは当然ですが、その頂点となり、先導的役割を果たす国体等での競技力向上、ひいては、世界へ羽ばたくトップアスリートの育成にも力を注ぐことが必要と思います。
 そこで、教育長にお尋ねします。
 本県における競技力の向上、さらにトップアスリートの育成をどのように進められる所存か、お答えください。

 最後に、治安問題について質問します。
 同時多発テロで約三千人もの犠牲者を出した「9.11」から三年が経ちました。アメリカは世界の治安維持のため、アフガニスタン・イラクへテロ撲滅に軍事侵攻を行いました。しかし、イラクでは治安回復が出来ず、今なお戦争状態にあります。
 9・11以降、テロ行為は減るどころか、逆に無差別なテロ行為が世界の至る所で起こっています。今年3月スペインのマドリードで列車が爆破され、約200人の犠牲者。先日はロシアの北オセチアで小学校がテロリストに占拠され、幼い子供達600人近くが犠牲となりました。
 今月9日にはジャカルタの大規模な爆発テロで十数名が犠牲になりました。私たちはいつどこでテロが起こるのかと戦々恐々としています。
 そういった中、国民の生命や財産を守るための国民保護法が本年6月18日に公布され、9月17日に施行されました。
 この法律は武力攻撃事態や緊急対処事態(大規模テロ等)から国民の生命等を保護し、国民生活に及ぼす影響が最小となるよう万全の態勢を整備し、国民の保護のための措置を迅速に実施することを目的とするものと謳われています。
 県が作成する国民保護計画の内容は、

  1. 住民の避難に関する措置
  2. 避難住民等の救援
  3. 武力攻撃災害への対応
  4. 国民生活の安定
  5. 復旧備蓄
といった国民の保護のための措置を総合的に推進する事項と聞いています。
 これから県の国民保護計画を作成していくことになると思いますが、今後、計画の作成をどのように進めていくのか、お答え下さい。
 これは仮の話ですが、もし万が一、ロシア国内で起こったようなことが本県内で発生し、学校が何者かに武力によって占拠された場合、知事はどのような対応を執られるのか、お答え下さい。
 県警察としては、特殊部隊的な部隊を編成しているのか、また、このような場合どのような対応を執られるのか、併せてお答え下さい。

 次に、来日外国人犯罪について質問します。
 我が国は四方を海に囲まれ、これまでは世界で一番安全で安心な国と言われていました。
 しかし、国際化により人・物・金や情報が迅速に国境を越えることが可能になった現在、国際犯罪組織の進出が現実的な問題として、わが国の治安を脅かす事態になっています。
 来日外国人による犯罪は年ごとに増加傾向にあり、凶悪犯である殺人、強盗、放火、強姦等の数は年々増加しており、強盗事件は実に3割近くも急増しています。
 我が国の賃金は近隣諸国から見ればかなり高額なため、密航してでもやってくる不法就労者が絶えません。そして、働くよりも効率的に金を稼ごうと犯罪に手を染めるケースも少なくありません。県庁の近くで、中国人により一家4人が殺害された事件は記憶に新しいところです。
 未検挙の犯罪も含めれば、来日外国人が起こした犯罪はまだまだ多いと推定されます。増加傾向にある来日外国人犯罪ですが、未然に発生を防ぐためには、その傾向や原因を分析することが必要です。本県における来日外国人犯罪は、傾向としてどういう人たちがどういう犯罪を起こしているのでしょうか、お答え下さい。
 今まで、来日外国人犯罪について質問しましたが、逆のケースで外国人が被害にあう事もあります。
 歌手やダンサーとして入国した来日外国人女性が無理やり飲食店で接客を強制されたり、売春を強要されるケースがあると聞いていますが、これら興行を目的とする在留資格についても、審査の厳格化や入国後の管理が必要と思われます。
 また、興行を取り仕切る人たちの中に暴力団関係者らしき人もいると聞いていますが、実態把握についてはどのようにされているのか、お聞かせ下さい。
 我が国は人身売買の常習国であるとアメリカ国務省から名指しで監視対象国に指定されました。この不名誉を払拭するためには県警察の皆さんに頑張ってもらわなくてはなりません。
そこでお尋ねしますが、県内来日外国人が働いている店舗は何軒なのか、教えて下さい。また、風営法に基づく立ち入り検査は年間どの位、行っているのかもお答え下さい。

 最後に、暴力団対策についてお尋ねします。
 つい最近も一部上場企業に銃弾五発が撃ち込まれました。
 おりしも、クラブ「ぼおるど」襲撃事件から一年を迎え、市民六百人による暴追キャンペーンを開いたばかりというタイミングでした。暴追に必死で取り組む市民は今大変不安を感じていると思います。
 市民の不安を払拭するためにも、暴力団対策にどのように取り組むつもりなのか、県警察本部長の決意の程をお聞かせ下さい。

 以上で第一回目の質問を終了させていただきます。明快で具体的なご回答をお願いいたします。ありがとうございました。

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